BMW E46 アルミエンジンヘッドカバー(トラブル編)
- 2024/06/17 18:21
- カテゴリー:DIY作業
- タグ:#bmw, #e46, #アルミエンジンエッドカバー
BMW E46 アルミエンジンヘッドカバー(トラブル編)
アルミエンジンヘッドカバーを装備後、「問題も無し」と思っていたのもつかの間...。っと言っても過給機なしのノーマル車両の場合はこれから紹介するような事にならなと思いますが、将来的にアルミエンジンヘッドカバーを使う人には、以下かなり有益な情報となるかと思います。
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先日、毎度のナイトドライブ後、ガレージに戻ってエンジン各部を確認してみたところ、
アルミエンジンヘッドカバーのエキマニ側奥から2番目のナットのグロメット部分にオイルがついているのを確認。ネジ周辺を触ってみるとオイルが付着していました。この時点でエンジンヘッドカバーの締め付けはかなり慎重に行ったので締め忘れでなどではなくグロメットに問題があると判断。
まずはアルミエンジンヘッドカバーに取り付けているエンジンカバーを取り外してみると裏側がオイルまみれ。完全にオイルが噴出した跡があります。
問題の個所は上記の4、5番イグニッションコイルの間のナット&グロメット部分。ETKによるとこの部分M54Bだと他の3本と同じスタッドボルトが使われているらしい。M52TUBはここは外周11個のナットと同形状の物が使われています。
イグニッションコイルを取り外すとオイルまみれ。写真からわかるようにイグニッションコイルを差し込むプラグホール部分にはオイル付着が見られませんので、4、5番イグニッションコイルの間のナット&グロメット噴出しているのは確定。
上記は1,2番のプラグホール部分。すべてのイグニッションコイルを外して確認してみるとアルミエンジンヘッドカバー上に噴出したオイルが流れ出ていて被害は結構甚大。
上記がエンジンカバー裏側にオイルが噴出した跡があった4,5番間のナット&グロメット部分。
上記は5,6番部分。6番のプラグホール手前にはかなりのオイルが溜まっていました。これはエンジンの傾斜角度によってこの部分に溜まった状態になっています。
当ブログの内容の履歴を遡ってみると、「アルミエンジンヘッドカバー交換」→「オイル交換」→「スモークテスト&インマニ取り外し」→「マップセンサー負圧場所変更」っという順番で「スモークテスト&インマニ取り外し」のこちらの記事の
上記の写真を見る限りアルミエンジンヘッドカバーにオイル漏れなど確認出来ておりません。インマニを取り外すためにイグニッションコイル用ハーネスカバーを取り外す必要があるため、もしこの段階で漏れがあれば気が付くはず。今回のオイル漏れの原因は「マップセンサー負圧場所変更」の時にブローバイガスの処理方法を一部変更した事が原因で、過給圧がかかった際にアルミエンジンヘッドカバー内部の内圧が上がりすぎてグロメット部分からオイルが噴出したと判断して間違いないようです。
なので過給機など装備していないノーマル車両でアルミエンジンヘッドカバーを装備してもまず漏れることはありませんが、組み立て方にはコツというか注意が必要な事がわかりました。
取り外したイグニッションコイルハーネスカバーの裏もオイルまみれ。すべてパーツクリーナーで洗浄しました。ちなみにアルミヘッドカバー上部に溜まったオイルですが可能な限りウエスで吸い取ってからパーツクリーナーで洗い流して、溜まったパーツクリーナーはエアーコンプレッサーのブロアをウエスをあてならがふき取るということを繰り返して洗浄しました。
イグニッションコイルに噴出したオイルが付着していた部分なのでプラグホール内部にオイルが流れてしまっていないか確認しました。上記のは4番のプラグホール。アルミエンジンヘッドカバーを装備時に新調したこの部分のガスケットは問題なさそうです。
上記が5番のプラグホール。
上記が6番のプラグホール。プラグホールガスケットからの漏れはありませんでした。
まずはアルミエンジンヘッドカバーを固定する15個のナットのうち内部4か所を固定するナットを取り外してみました。問題があるのが見てすぐにわかりますね、すでに亀裂が入っています。
左からエンジンフロント側のグロメットとなります。1,3,4がすでに裂けています。特に3番、グロメット内径側に亀裂が入っています。この部分からオイルが噴出したのは間違いありません。
この時点で考えた事は「組方がダメ」、もしくは「グロメットが弱い(不良品)」のどちらか。こちらの記事内に記載してありますが、VICTOR REINZ製を購入しましたがグロメットは別メーカーの名前「DPH GERMANIY」と記載されていたのでグロメット自身に問題があったのでしょうか?
取り外した内側4個のナットは洗浄してサビが浮いていたワッシャーは研きをいれて綺麗にしました。
アルミエンジンヘッドカバーに付属してきた中華製のグロメットを使おうとも考えたのですが、新品なのにグロメット自身がちょっと硬かったので、今度はプロテックオートさんから下記のグロメットのみを購入。
こんどは何もメーカー名の記載はありません。(苦笑)あくまでも私の判断ですがグロメット自身はどのメーカーでも特に大差はないはずです。余程粗悪品でなければ。問題点は耐久性ぐらいでしょう。多分アルミエンジンヘッドカバーに付属してきたグロメットは少し硬めだったので耐久性的に不安なだけで「劣化したら交換」という考えならば機能的な問題はないと思います。
じゃあ何かが問題か?組み立て方をネットの情報を鵜呑みにした私の問題ですね。
上記は取り外したアルミエンジンヘッドカバー外周11個のナットのグロメットの状態。アルミエンジンヘッドカバーに装備していた順に並べてみました。一番初めにオイル漏れを発見した部分はオイル付着がわかると思います。オイルが付着していた個所は4か所、漏れた個所は1か所でした。ちなみに亀裂は1つもありませんでした。
今回新しいグロメットを装備するにあたりワコーズさんのラバーグリースを使用しました。
ラバーグリースをグロメットが当たるワッシャー部分とグロメットがアルミエンジンヘッドカバーに当たる部分にワコーズさんのラバーグリースを塗ってナットを固定。
ナットの締め付けですが、以下がBMWの正規ドキュメントになります。
「手締めしてから、キャップナットを内側から外側にクロスさせて締め付ける」っとの事。ネジが底に当たるまで締めて、締め付けは1発って事ですね。(2回目とかはグロメットの亀裂リスクがあがります。)
あとアルミエンジンヘッドカバー固有の問題だと思いますがグロメットが締め付けられてナット&ワッシャーに押さえつけられて潰れるわけですがグロメット締め付け時アルミエンジンヘッドカバーに対して滑らない(滑りにくい)ので締め付け時裂けしまいやすくなります。今回は保護目的も兼ねてワコーズさんのラバーグリースを使用しましたが、グロメットはオイルなどを付着して若干滑る状態で締め付ける必要があるかと思います。今回取り外したグロメット15個のうち外周11個は同じように締め付けても亀裂などが入っていなかったことから、内部4か所のグロメットは構造上、締め付け時のグロメットの滑りに問題があったと判断できます。
もしもグロメットに亀裂が入った状態であっても過給機無しのノーマル車両の場合、エンジンヘッドカバー内部はCCVが正常に動作していれば弱い負圧~大気圧になっているので若干の2次エア吸いこみ程度で、亀裂があってもまず気が付く事はないと思います。
今回の作業ではアルミヘッドカバーは一切脱着せず、15個のナットのみを取り外してグロメットを交換し、ブローバイ側の経路を元に戻して40km程テスト走行してきました。まだ様子見なので、4000回転までを上限として過給圧は0.2~0.3kg/cm2を上限として走行しました。
ガレージに戻ってからエンジンカバーを取り外して、一番問題となったアルミヘッドカバー内部4か所のネジの状態を確認。漏れはないです。
1,2番側も問題なし。
全開走行していないのでまだ何とも言えませんが、今回のオイル漏れトラブルの原因は「組み立て方」、「ブローバイガスの配管変更」による原因の複数の要素が原因だったと思います。
アルミエンジンヘッドカバーを取り付ける方の参考になれば幸いです。
以上、「BMW E46 アルミエンジンヘッドカバー(トラブル編)」でした。