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ブローバイガスオイルセパレーターの作成

ブローバイガスオイルセパレーターの作成

色々なブローバイガス対策を行ってきた中でこのエンジン用のCCVのサイクロンセパレーター部分のみと既存の汎用オイルキャッチタンクを組み合わせる事でブローバイホース関連の取り回しを考慮すれば比較的簡単にオイルセパレーターのテストが出来ました。

サイクロンセパレーターを設置

関連記事:ブローバイガス対策にサイクロンセパレーターを2つ

そこで今回これまで色々とテストしてきた中で自分的に理想的なブローバイガスのオイルセパレーターを1から作成してテストしてみることにしました。

自分で作成するっと言っても自分の持っている技術で出来る範囲で、これまでアルミ素材にこだわってきましたが今回はステンレス素材でチャレンジ。ステンレスの半田付けでどこまで出来るかとりあえず作成してみることにしました。

ステンレスでオイルセパレーターを作成

いきなりここまで出来上がってしまっていますが、0.3mm厚のステンレス板をカット穴あけ加工して上記のように60mmの筒状にして、内部にバッフル版を固定。

ステンレス板のカットはケガキした上で上記の赤いハサミで切りました。ニブラーなどを使用してもよかったかもしれませんが、0.3mm厚ならハサミでカット出来ました。

ステンレスの半田付けで使用したのはこちらのステンレス半田とフラックス。フラックスの量は十分すぎるぐらいあるのですが、半田は足りないので追加でステンレス半田も購入。

以下の写真の中でステンレスが水で濡れたようになっているのは半田付け後、すぐに水で何度も洗い流しているためです。ステンレス用のフラックスは放置するとステンレスが錆びるので半田付けしたら繰り返し水で洗浄します。

 

オイルセパレーターのIN側の構造

上記の写真はひっくり返してみた状態。このステンレスパイプはカクダイ ホース接ぎ 13.5 5142-12 を使用しています。(この時点で13mmのステンレスパイプが入手できなかったので代用です。)

オイルセパレーターのバッフル板

バッフル板はこんな形にステンレスの筒を上下に分離しています。下側がブローバイガスのIN側となりオイルミストを分離したブローバイガス成分がバッフル板の隙間からこの部分に流れてOUT側に出る仕組みです。

オイルセパレーターのOUT側配管

OUT側のパイプを取り付けたところです。

ステンレス金網#100を取り付け

ステンレスの筒を下側(IN側)には#100のステンレス金網を取り付けてオイル成分を取り除きます。これまでもオイルキャッチタンクで#100のステンレス金網でオイル成分をキャッチ出来ているので効果はお墨付きです。

オイルセパレーター上部に蓋を取り付け

ステンレスの筒上部に蓋をしました。隣にある方眼ボール紙の箱は先の記事で紹介したブローバイガスチャンバーのモックアップです。

関連記事:ブローバイチャンバーの容量拡大

今回製作したオイルセパレーターと汎用オイルキャッチタンク

いきなりですがブローバイセパレーターの完成です。実際には上記のようにこれまで使用してきた汎用のオイルキャッチタンクに接続して分離したオイル成分はオイルキャッチタンクに貯まるようにします。

作成したブローバイガスオイルセパレーターですが0.3mm厚のステンレスなので圧力がかかっても潰れたり膨らまないように各部に補強を入れてあります。そのため見栄えはあまりよくありませんが、機能的には結構理想的なオイルセパレーターを自作できたので良しとしましょう(笑)

オイルセパレーターを設置

実際に装備してみました。ブローバイガスラインに使用しているブリジストン製のホースが結構硬いので作成したオイルセパレーターはホースで支えられるような形で取り付けてあります。0.3mm厚のステンレスなのでかなり軽量です。

一般道路をテスト走行

まずは一般道を10km程走行テストしてきました。(写真は旧山手通り代官山付近)ブローバイホースの取り回しも若干変わったこともあるので、妙な干渉をしていないか?自作したオイルセパレーターを装備して普通に走行できるか?などなど五感を張り巡らせて走行確認。

走行中の異音や走行トラブル等は一切発生しませんでしたが、若干ブローバイガス臭いので漏れがあるようです。

ガレージに戻ってからサクションパイプの内部の状態の確認。

サクションパイプの状態1

サクションパイプの状態2

オイルが飛び散ってはいますが、これは明らかにサクションパイプ逆流時、ブローオフバルブが開いて飛び散ったオイルのようです。

オイルセパレーター本体の状態確認

オイルセパレーターの漏れは一切ありません。ホースのつなぐ部分にオイル滲みがみられましたのでビード加工をすればブローバイガスの漏れは対策できそうです。

オイルキャッチタンクの中の状態。

一般道を普通に10km程走っただけなのでオイルキャッチタンクには何も貯まっていませんでした。

ホースを繋ぐ部分にビード加工を行ってブローバイガスの漏れがないことを確認の上、今度はいつもの高速道路を含むテストコースを50km程走行してきました。

大黒パーキングエリア

途中パーキングでブローバイラインの状態を確認。特に問題ありませんでした。

ガレージに戻ってすぐにまた分解して各部の確認。

走行後のエアフロの状態

エアフロへのオイル付着は一切見つかりませんでした。ブローバイチャンバーの容量アップはかなり効果があったようです。

サクションパイプの状態3

サクションパイプの状態4

サクションパイプの内部の状態。オイルセパレーターを経由してオイルが散布されたような感じではありませんね。インテークパイプ内部に残ったオイルがアクセルオフ時のブローオフバルブ経由で飛び散っているようです。(もしかしたら結構な量のオイルがインタークーラーを含むインテークパイプに溜まっているのかも)

オイルキャッチタンクの中の状態

走行後のオイルキャッチタンクの中の状態。オイルキャッチタンクに垂れ落ちてくる程ブローバイガスにオイルが含まれなかったということですね。

オイルセパレーター内部の残留オイルを抜き取る

オイルセパレーターを上記のように一晩放置しておいたところ、

オイルセパレーターに溜まっていたオイル

内部に溜まっていたオイルが落ちていました。粘性のあるオイル成分です。オイルセパレーター+オイルキャッチタンクで、ブローバイガスライン経由に容積が増えた結果、負圧によって吸い出されるブローバイガス量がかわったためオイルキャッチタンクに貯まる量が減る方向に影響が出たと思われます。

高速を含むテストコースでの走行ログ

このときの走行ログの一部です。ピーク回転数は5672回転、最大過給圧は0.48kg/cm2。油温は108.4℃まで上がっていました。普通に走行してもオイルキャッチタンクにはほとんどオイルが貯まらず、サクションパイプにもオイル散布がほとんど見られなくなりました。

今回作成したブローバイガスオイルセパレーターを装備を継続してもう少し長い距離を走行して様子を見てみたいと思います。

以上「ブローバイガスオイルセパレーターの作成」でした。

 

 

 

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