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ブローバイガスのオイルミスト対策1

ブローバイガスのオイルミスト対策1

ここ連日ブローバイガスのオイルミスト対策のため色々なデータ取りを繰り返しています。仕様を少しづつ変更して連日走行しているのでブログの更新が追い付かないのですが、自分メモとしてまとめておきます。

走行時は加給圧がかからない(大気圧以下)と過給圧がかかる状態の2つに分けてデータ取り。

3月13日、全開ではなく過給圧をかけて少しだけ回したときのオイルキャッチタンクの状態。

オイルキャッチタンクに貯まったオイル

走行前に空っぽにしておいたオイルキャッチタンクになみなみオイルが貯まっています。(苦笑)

130mlもオイルが貯まっていた

貯まったオイル量を確認してみると約130ml。「壊れているんじゃないか」っていう量です。

このときのオイルキャッチタンクの仕様

オイルキャッチタンクの仕様は上記の状態。タンク底にステンレスメッシュ(オイルキャッチタンク内部でオイルが飛び散らないようにするための対策)およびブローバイガスの入り口にバッフル板的なアルミ板とオイルキャッチタンクの出口にはアルミのパンチングメタルをつけた仕様。オイルが取れるのは良いことなのですが、

大量のオイルがオイルキャッチタンクに貯まったときの走行ログ

このオイルが大量に貯まったときののMotecのログをi2で見ると最大加給圧0.381kg/cm2、最大回転数4786rpm、走行時間にして約4分程度、そんなに踏んでいはいません。

このログ取得前は加給圧がかからないように大気圧以下で走行したので上記の約4分間だけ過給状態で走行して130mlのものオイルが噴出してしまいました。

これはスーパーチャージャーとエアクリーナー間のサクションパイプ内部がスーパーチャージャーが高回転で回ると相当な負圧となりオイルディプスティックに接続した本来オイルパンにオイルが落ちるラインからオイルを吸い上げている状態になっていると想定。多分-1.0kg/cm2以上の負圧で吸い上げてしまい、いくらクランクケース内部を負圧にするっといってもこれでは吸い過ぎです。ターボチャージャーと大きく異なる点としてスロットル上流配置のスーパーチャージャーの場合、アクセルオフ時もスーパーチャージャーはエンジン回転数に合わせて回り続けるわけで、エンジンの回転数が落ちない限りクランクケース内部から強烈に吸い続けてしまう状態のため、燃料カット中エンジンブレーキ時などのブローバイガスが出ない状態で高回転で回っているときは相当な勢いでオイルを吸い上げてしまっていると想定。

おまけにオイルディプスティックのオイル排出口の構造をこちらで調べた通りでオイルパン油面に接続されているのでクランクケースの空間ではなくオイル自体を直接吸い上げている状態になってしまっているとだと思われます。

この原因について色々と調べたところ、スーパーチャージャーメーカーのRotrexの過去のスーパーチャージャーセットアップマニュアルにある説明内容にサクションパイプ内部が真空状態になる注意事項が記載されていた事をヒントにしました。

 

Rotrex Superchager Setup Manual

この時のブローバイガスラインを図で示すと

日産のチェックバルブを使用したブローバイライン構成図

っとなります。

実際にはもっと多い量のオイルが吸われているはずですが、このときのサクションパイプへのオイル付着はこちらので作成したブローバイチャンバーのおかげかそんなにひどくはありませんでした。スーパーチャージャーに吸引されるブローバイガス量が減った事による恩恵だと思います。

この状況から過給時あまりにもオイルキャッチタンクへ貯まるオイル量が多いので対策としてブローバイサイクロンセパレーター側のオイルドレンへのリターン部分にワンウェイバルブを装備してインマニ側の負圧で吸うブローバイ経路のバルブを日産のチェックバルブ「47478-03B00」からFV345PCVバルブへ変更してとりあえず過給圧をかけず(大気圧以下)で約40km程走行テスト。

オイルキャッチタンクに少量の水

サクションパイプ内部の状態

オイルキャッチタンク内部全体とサクションパイプ

オイルキャッチタンクには少量の水、サクションパイプには少しのオイルが飛び散る程度でテスト走行は良好。

この時のブローバイガスラインを図で示すと

FARM FV345を使用したブローバイライン構成図

っとなります。

そんな中、モノタロウで注文したFD3S前期型エンジン用のPCVバルブを入手出来たので、

FD3SのPCVバルブ

PCVバルブをFV345からFD3SのPCVバルブ「N3A1-13-890」へ切り替えてテスト走行。PCVバルブを交換してからアイドリング時は気が付かなかったのですが、

ブローバイガスがもくもくと出てきた

走行途中ブローバイガス臭くなったので、車を止めて状態を確認してみるとサクションパイプ側のサブエアフィルターからブローバイガスがもくもくと...。上記の写真だとちょっと煙い感じが伝わるかな?

FD3S用のPCVバルブではアイドリング時状態のインマニ負圧でもPCVバルブが全閉してしまい、こちらのメイン側にブローバイガスが流れて大気開放状態となってしまいFD3S用のPCVバルブでのテストは大失敗でした。

FD3S用のPCVバルブを装備してアイドリング域でバルーンテストしておけば走行テストしなくてもわかったと思いますが後の祭り。本来はインマニ側の負圧でアイドリング時はPCVバルブが開いているのでブローバイガスはこちらに流れてくることはないはずです。

この時のブローバイガスラインを図で示すと

マツダPCVバルブを使用したブローバイライン構成図

っとなります。

 

FD3SのPCVバルブ装備して大気圧以下の過給で走行後のサクションパイプの状態

上記はFD3S用のPCVバルブで走行後のサクションパイプの状態。一晩おいたら水分とオイルが乳化していました。このときも大気圧以下で走行していましたがブローバイガスがほとんどサクションパイプ側経由で吸われ、アイドリング時はほとんどスーパーチャージャーに吸われることなくサブエアフィルターから漏れてきてしまったようです。

FD3SのPCVバルブを装備して大気圧以下で走行後のオイルキャッチタンク内部の状態

FD3SのPCVバルブで走行後のオイルキャッチタンクの内部の状態。過給圧かけずに走行したので想定通り少量の水が溜まっただけでした。このぐらいならばオイルキャッチタンクなしのサイクロンセパレーターだけで対応出来そうですね。

FD3SのPCVバルブを装備して大気圧以下で走行後のオイルキャッチタンクのセパレーター部分

上記はこのときのオイルキャッチタンクの内部の状態。水分が多いためか乳化していました。

続いてPCVバルブを変えてバルーンテストを実行。

トヨタ製PCVバルブでバルーンテスト

上記はインマニの上部に過去に使用したトヨタ製のPCVバルブ「12204-88570」を装備してオイルゲージ部分に風船をつけてアイドリング中の写真です。サクションパイプに繋がるホースの途中にポップアップバルブ(スプリングなしのワンウェイバルブ)を装備しています。ポップアップバルブが負圧で閉じて、風船はしぼんだ状態になっていると想定だったのですがアイドリング時のインマニ負圧でPCVバルブが完全に閉じてしまっているためクランク圧は正圧(風船が膨らんでいる)になっています。(ポップアップバルブが開いてサクションパイプ側にブローバイガスが流れている)

ブローバイガスをアイドリング中のインマニ負圧でPCV経由で少量吸引し、インマニ負圧が強くなるエンジンブレーキ時は完全に閉じてほしいのですが、トヨタ製のPCVバルブもFD3SのPCVバルブと同様に想定通りうまく動いてくれません。PCVバルブ流用は試行錯誤の連続です。(苦笑)

この時のブローバイガスラインを図で示すと

トヨタ製のPCVバルブ「12204-88570」を装備

っとなります。

FV345PCVバルブでバルーンテスト1

続いてPCVバルブをFV345に戻してアイドリングしたときの写真が上記です。風船はしぼんだままになっています。FV345はアイドリング状態のインマニ負圧では少し開いている状態になっているためクランクケース圧は負圧となり風船はしぼんだ状態になっています。上記はサクションパイプに繋がるホースの途中に装備したポップアップバルブを外した状態です。

FV345PCVバルブでバルーンテスト2

撮影方向を変えてもう一枚。風船がオイルゲージ部分に吸い込まれているのがわかります。やはり海外フォーラムでこのエンジンのCCVを削除してPCVバルブに置き換えるときに定評のあるPCVバルブだけはありますね。

FV345を使用するとアイドリング時は想定通りの動作となっています。(エンジンブレーキときの強烈な負圧のときは確認出来ておりませんが、強烈な負圧だとPCVバルブはほぼ全閉になっていると思われます。)

この時のブローバイガスラインを図で示すと

FARM FV345 PCVバルブを使用したブローバイライン構成図

っとなります。今回はサブエアフィルター部分にポップアップバルブタイプのチェックバルブを装備しました。重力でポップアップバルブが常に閉じるようにポップアップバルブがなるべく縦方向になるように装備。FV345PCVバルブを使用した場合、バルーンテストの結果からインマニ圧がアイドリング~大気圧までの時この部分はPCVバルブ経由で負圧になるのでチェックバルブは無くても問題ありませんが念のため弱いブローバイガス圧でも閉じるようにバルブを装備しました。

テスト走行ときの写真

PCVバルブをFV345を装備して先日130mLものオイルがオイルキャッチタンクに貯まったときと同じ区間を加給圧をかけて走行してきました。

テスト走行ときのログ

走行時間にして約4分、最大過給圧は0.565kg/cm2、最大回転数は6479rpm、前回(このブログ記事の初めの時3/13)よりもエンジンを回し、加給圧も高い状態でしたが、

FV345を装備して過給圧をかけて走行したときのオイルキャッチタンクの状態

前回と異なりオイルキャッチタンクには上記のように少量の水のみ。

FV345PCVバルブを装備して過給圧をかけて走行したときのサクションパイプの状態

サクションパイプには少量のオイルの飛び散りがみられまました。

FV345PCVバルブを装備して過給圧をかけて走行したときのサクションパイプの状態2

本当はまったくオイルが飛び散らないことが理想ですが、これまでの状態と比較するとかなりどころか劇的にブローバイガスのオイル量、特にオイルキャッチタンクに貯まるオイル量が改善されました。これならば長距離走っても大丈夫かな?

現在までの対策結果としては

  • サイクロンセパレーターのオイルドレンへのリターンホースにワンウェイバルブを装備
  • PCVバルブFV345を使用
  • サクションパイプ側のスーパーチャージャーによる吸引の減圧
  • サクションパイプに繋がるホースのポップアップバルブ撤去

日産のチェックバルブをPCVバルブFV345にすることで大きく変わる点はエンジンブレーキときインマニが強烈な負圧状態では

  • 日産チェックバルブでは全開
  • PCVバルブFV345では全閉

となるので、ブローバイガスの負圧による吸引量が大きくかわるのでオイルミスト量が抑えられたようです。

まだ対策が必要ですが、以上、一応自分用のメモとして以上まとめておきます。

 

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