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M52TUB/M54Bエンジンのオイルディプスティックガイドチューブの謎(BMW E46)

M52TUB/M54Bエンジンのオイルディプスティックガイドチューブの謎(BMW E46)

今更ながら前々から疑問に思っていたM52TUB/M54Bエンジンのオイルデップスティックガイドチューブの謎について事を調べてみました。何故今更オイルデップスティックガイドチューブについて調べてみようかと思ったのは、前々からオイルデップスティックガイドチューブのCCVからのブローバイガスセパレーターを経由したオイルがオイルパンに戻る部分の構造がどうなっているのかよくわからず、今回色々とネット上で調べてみたところ意外な事実がわかりました。

IMG_3951.jpg

まずは上記の写真はM52TUB・M54BエンジンのCCVです。現状の車両でこのCCVを交換していない車両はほぼ存在しないと思いますのでCCVを知らない人の方が少ないかもしれませんね。もしM52TUB・M54BエンジンでCCVを交換してない、または交換履歴が無いようでしたらCCVにつながるホースを含めて一度点検した方がよいとは思います。

上記CCVに繋がる3本のホース(上記の写真の1、3、4に接続するホース)が経年劣化で破損してエアーを吸い込むことは有名なトラブルで、それと同時に上記のCCVの上半分内部にあるダイアフラムが詰まる事が多いので一式交換というのはE46をはじめとするM52TUB・M54BエンジンのBMWでは定番な修理です。

CCVのダイアフラムが詰まったかなりワーストケースはこちらのStudie仙台店の熊谷車両のブログが参考になるかと思います。

ちなみに上記の写真のCCVの2番はM54Bエンジンではキャップがされていて未使用となりM52TUBエンジンの日本を含むヨーロッパ仕様では燃圧レギュレーターへ接続されています。(US仕様でも燃圧調整方式が異なるのでキャップがされています。燃圧レギュレーターが燃料デリバリーレールに付いていない。)

 

話をオイルデップスティックガイドチューブに戻すと上記CCVの4番がオイルデップスティックガイドチューブへ接続しています。ブローバイガスに含まれるオイルミスト成分をCCV下半分にあるサイクロンセパレーターで分離して4番出口から(笑)オイルパンに戻していますが、今回オイルデップスティックガイドチューブの構造を調べてみるとCCVと接続する部分はオイルデップスティックガイドチューブが2重構造になっていました。

オイルデップスティックガイドチューブの2重構造の説明画像(拾い画)

上記は拾い画を見て頂くとわかるように「in」から繋がっている部分は「drains here」の部分に繋がっていてデップスティックの部分とは繋がっていません。

オイルデップスティックガイドチューブが2重構造になっている(拾い画)

上記の拾い画の方がよくわかるかな?

写真の部分がオイルデップスティックガイドチューブは2重構造になっていて、この部分がブローバイガスの成分で詰まってしまうためCCV交換時にオイルデップスティックガイドチューブを取り外してこの部分の洗浄する必要があるそうです。

CCVを交換してもオイル消費が激しい(変わらない)場合はこの部分の詰まりが原因の場合もあり、海外のサイトではオイルデップスティックガイドチューブを外して針金当を入れて貫通させて掃除している事例が紹介されていました。(スラッジ成分が多いため、かなり頑固な汚れで塞がれてしまうのでパーツクリーナー程度では貫通しないとの事です。ちなみにこの部分が塞がれてしまうとCCV経由で分離したオイルがすべてインマニに吸われてしまいオイル消費量が増えるとの事です。)

 

オイルデップスティックガイドチューブの穴

上記の写真を見るとオイルデップスティックガイドチューブのOリング(赤い部分)の下あたりに穴が開いています。この穴は2重構造になっている内部のパイプにも貫通していますが、オイルデップスティックガイドチューブがエンジンに刺さると外側の穴は塞がれるようになっています。 

M52TUB・M54BエンジンのCCVの交換に関する記事は多数みかけますが、オイルデップスティックガイドチューブの2重構造部分の状態確認はあまり見かけませんので、CCV交換ときはオイルデップスティックガイドチューブのOリングも用意してオイルデップスティックガイドチューブの状態も確認する方がよいかと思います。(一緒に作業する方が楽ですしね。)

オイル消費が多く、オイル上がり・下がりの症状がない場合はこの部分を確認した方がよいという事になります。

更にオイルデップスティックガイドチューブについて調べてみたところ、寒冷地仕様のオイルデップスティックガイドチューブもありました。

以下も拾い画ですが、M52TUB・M54Bエンジン用寒冷地仕様のオイルデップスティックガイドチューブです。

寒冷地仕様のオイルデップスティックガイドチューブ1

寒冷地仕様のオイルデップスティックガイドチューブ2

CCVはトラブルになったのでBMWから寒冷地仕様のこのようなアナウンスがありましたが、オイルデップスティックガイドチューブも寒冷地仕様があったんですね。

関連記事:必見!BMW E39/46/53/85/83/60のCCVトラブルサービスマニュアル

 

寒冷地仕様のオイルデップスティックガイドチューブは下部が2重構造になっていません。これは2重構造部分にブローバイガスの水分の結露対策で2重構造をやめたのだと思います。この写真では先ほどのオイルデップスティックガイドチューブのOリング下部分の穴を確認できませんが、2重構造のように穴は開いていないみたいです。この寒冷地仕様のオイルデップスティックガイドチューブの場合CCVの負圧によって少し強めな負圧になるので若干オイル消費が多くなるのではないでしょうか?

そもそもオイルデップスティックガイドチューブを2重構造にする必要がなければこの寒冷地仕様で統一すれば良いのに、あえて2重構造にしているのはブローバイガスの処理のためにオイル消費を抑えるためだと考えられます。

長年どのような構造になっているか謎でしたが、やっとどのような構造になっているのか知る事が出来ました。

 

以上、「M52TUB/M54Bエンジンのオイルディプスティックガイドチューブの謎(BMW E46)」でした。

 

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