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これで全部LED化完了!E46フロントヘッドライトのLED化(その17)

これで全部LED化完了!E46フロントヘッドライトのLED化(その17)

ブログ記事を振り返ってみると最後のLED化計画の記事を書いてからすでに2年以上経過していますね。(笑)

関連記事:

LED化計画:ヘッドライトのLED化を再検討 その16

BMW E46で今更全LED化するような人はそんなにいないだろうし、LED化するって言っても効率が悪く簡易的な警告灯対策としてメタルクラッド抵抗使ったり、HIDをLED化すると言っても最近流行りのポン付けタイプでHIDのバラストそのままの超非効率だったり、それか車検無視のファッション性重視な光物チューンが多いかと思います。

このブログでも紹介してきたように2017年から少しづつ自分のE46のLED化を進めてきました。(詳細はこちら)自分の車両は1999年に購入した初期モデルという事もあり外装部分でLEDバルブの採用は一切ない時代の車両でしたが、E46現行販売中に途中からテールライトのみLEDが純正採用されました。高輝度LEDの技術進歩によって世の中の車がLEDバルブが標準っとなって早数年。今回、やっとフロントヘッドライトをHIDからLED化しました。

ここ数年フロントヘッドライトをHIDからLED化するにあたり色々な方法を模索してきました。自分がHIDバルブをLED化するにあたり最低限のコンセプトは

  1. バラスト&イグナイターレス
    (とにかくバラストが邪魔。電気的に非効率なものは使わない)
  2. 車検に通る(明るさ、光軸、カットライン等)
  3. 消費電力がHIDよりも少ないか同等

の3つです。

先にも記載した通り、現在では色々なポン付け可能なHID(D2S)からLED化するタイプの物が現在主流で販売されていますが、HIDのバラストとイグナイターを再利用してLED化するもので、電気的には超非効率でどちらかというとLEDな光を重視したファッション性重視。ならば「HIDバルブのままがベスト」という結論に行きつき、ここ数年フロントライトのLED化は半分諦めてきました。またE46の純正HIDの場合、ポン付けHID(D2S)をLED化する商品は、バラストのメーカーがが嫌われ者のAL製なので運よく点灯しても短命で点灯しなくなってしまっているケースが多いみたいです。
その他のLED化の方法としてHIDのプロジェクタータイプのライトユニットをハロゲンタイプのH7バルブのユニットに交換して、H7タイプのLEDバルブを採用する方法を検討しましたが、E46の純正HIDプロジェクターライトの自動光軸調整機能(サスペンションの動きに連動)が動作しない(この機能はハロゲンタイプのライトユニットには存在しないらしい。純正HIDユニットのみの機能らしい)、また、一番の懸念事項として市販されているH7形状のLEDバルブの多くはリフレクターの乱反射によってカットオフラインが正常に出せるのかが怪しいという情報があり(こちら参照)、ここ数年ヤフオクで出物の「E46、前期、ハロゲン、クーペ用のライトユニット」を物色してきたものの、入手できそうなタイミングでも落札の小競り合いには参加しませんでした。

このブログを書いている現在(2022年5月)、HIDバルブのD2SタイプをLED化するキットなるものの大半はHIDのバルブを取り外してポン付けするタイプの物がほとんどで、12V電源駆動のD2S形状のLEDバルブ、すなわちバラストレスタイプのD2S形状のLEDバルブの製品はかなり数が少なかったです。

そんな数少ない12V駆動でHIDをLED化する製品の中でも「明るい」っとレビューが書かれていた物が格安(実際に購入した左右合わせて金額は3,800円です。)で入手出来たので「取り付けてみて暗かったら元に戻そう」という前提で取り付けを行ってみました。

HID(D2S)タイプのLEDバルブ取付前の検証

E46のライトユニットの場合、12V駆動のD2S形状のLEDバルブを装備するにあたり、スペース的な問題でライトユニットからHIDソケットを撤去する必要があります。HIDソケットを撤去するには配線が直結されているイグナイター本体を撤去する必要がありますが、イグナイターを撤去する作業は簡単でなくライトユニットからリフレクター部分を外す必要があります。ちなみにバラストの取り外しはライトユニットの底部に取付けられているので簡単に行えます。

今回LEDバルブを装備後、LEDバルブでは車検通りそうにない場合は、イグナイターはライトユニットの外に配置(放置)してバラスト本体だけを元の位置に戻せば取り合えず元のHIDの状態に戻せることを前提として、HIDソケット、イグナイター、バラストの撤去を行い、12V駆動のD2S形状のLEDバルブを装備してみることにしました。(一応保険です。)

購入した12V駆動のD2S形状のLEDバルブ

購入した12V駆動のD2S形状のLEDバルブ
上記が今回購入した12V駆動のD2S形状のLEDバルブです。ライトユニットによってはLEDバルブのファンが干渉してしまうためライトユニットに取り付ける汎用のカバーが付いて来ました。こちらもTwitterのフォロワーさんには少し前に公開しましたが購入したLEDバルブは特にメーカー物とかではありません。価格は4,980円でしたが、たまたま割引がきいて3,800円ぐらいで購入出来ました。(商品詳細は以下リンク参照)

HID(D2S)バルブとLEDバルブの比較

HID(D2S)バルブと取り付ける座の位置をあわせて比較してみました。LEDの発光部分がほぼHIDの点灯部分と同じ位置になるように作られています。

IMG_0043.jpg

バルブの座の形状比較です。LEDバルブはD2S/C兼用、D1/3/4も対応しているの座の部分に複数の切り込みがあります。D2Sは1箇所しかはまらないので取付位置を間違える事はありません。

IMG_0044.jpg

LEDバルブの座はOリング(写真の赤い部分)で固定され、バルブの向きを調整出来るようになっています。D2Sの場合、カットラインはライトユニット内部にある目隠しで行われるので、バルブの明るさの問題と光軸だけ合っていれば、取付さえしっかりできればどのようなLEDバルブでも車検対応可能なようです。ライトユニットの形状によってはカットライン付近にフレアが出てしまうためバルブ本体を回転して調整出来るように作られているようです。
その他、フロントライトのLEDバルブは放熱に電動ファンが使われています。一時、長い放熱線を利用したファンレスLEDバルブもありましたが、放熱効率が悪くLEDバルブが破損しまったり、熱を抑えた設計になっていたためか、放熱線タイプ(ファンレスタイプ)のLEDバルブは「暗い」と評判が悪かったため、ネットショッピング上から最近ではすっかり姿を見なくなりました。

写真を見るとわかるようにLEDバルブを点灯するための変圧器(箱)が付いていますがこのかなりコンパクトなのでライトユニットの中に収める事が出来ます。(写真の黒いリングはライトユニットとバルブを固定するリングです。)

毎度の事ながら、LEDバルブの消費電力を計測してみました。

LEDバルブの消費電力の計測
通電電流は2.04Aでした。

LEDバルブの消費電流計測ときの電圧


この時の安定化電源の電圧は13.71V。消費電力は約28Wとなります。純正HDバルブの消費電力の公表値は35Wなので片側7Wぐらい省エネになります。LED化するならばやはり省エネを目的としたいので、このぐらいの省エネでも良しとしましょう(笑)また、通電テストでのファンの音ですが、室内で聞いた限りでは、そんなに気になる程のファンの音ではありません。エンジンがかかった状態では間違いなく聞こえる事はないでしょう。

取り付け作業開始

ライトユニットの取り外し


早速、ライトユニットの取り外し作業に入りました。上記はバラスト本体を外して、イグナイターとバラストをつなぐ配線とカバーのみにしてライトユニットを取り外しました。(私の車はスペースの関係でバラストがライトユニットの下ではなく、少し離れた位置にバラストを固定しています。)ライトユニットは4箇所のボルトで固定されているのでネジとライトユニットに接続されているハーネスすべてを外してからライトユニットを手前に引き出します。(隠れている2か所のネジの位置は後程の写真を参照。)

IMG_0047.jpg

取り外したライトユニットのライトカバーを外して、すでにLED化済のハイビーム側のH7バルブを取り外しました。

ライトユニット内部のイグナイター本体の写真

いきなりですがライトユニット分解し、問題のネジで固定されているイグナイター本体が見えたところです。上記の写真の状態にするのに1時間以上悪戦苦闘しました。

光軸調整用のネジ

ライトユニットのリフレクター部分の取り外しには電動ドライバー(プラス)が必要となります。(手でも出来ない事はありませんがかなり大変。)上記の赤矢印の部分は上下方向のライト光軸調整ダイアルのひたすら回してリフレクター側にねじ込まれているネジを外した光軸調整用のネジです。

リフレクター側の光軸調整ネジの受け部分

上記の写真の赤矢印の部分が先の白いネジがねじこまれている部分です。リフレクター側の光軸調整ネジの受け部分のとなります。

光軸調整用のネジとベベルギア

わかりやすいようにもう一枚。白いネジの根本部分に黒いベベルギアが当たっています。その黒いベベルギアは光軸調整ダイアルに繋がっています。(外す事も出来ます。)

自動光軸調整を行うモーターとボールジョイント

そして上記の赤矢印のボールジョイントはリフレクター側内部のナイロン製のクリップに挟まってます。この部分を外すのは結構、というか超大変。なるべく傷をつけないようにするには先の光軸調整用のネジを外した後、リフレクターをかなりの力で手前に引き抜けば外れます。このボールジョイントはモーターで駆動するようになっていてサスペンションの動きに合わせて光軸調整を行うよう仕組みになっています。

なんだかんだ偉そうに言ってますが、HIDプロジェクターライトユニットからリフレクターの取り外し方法は、

を参考にしました。

上記の動画ですが、肝心のボールジョイントを外す所が映っていません。ドライバーでこじってるようですが動画のように簡単に外れません。私は電動ドライバー光軸調整ネジを緩めてから、ボールジョイントにシリコンルブスプレー吹いてから滑りやすくして外しました。

無水エタノールと無印良品のメガネ拭き、そして竹櫛

 続いて、ここまで分解したら必ず行いたいのはプロジェクターレンズの清掃。バルブを明るくしてもプロジェクターレンズが白内障状態では意味がありませんし、ここまで分解すれば結構簡単にプロジェクターレンズの内側の清掃が出来ます。

清掃には無水エタノールと無印良品のメガネ拭き、そして竹櫛を使用して、

リフレクターの隙間からプロジェクターレンズを清掃

リフレクターの隙間からレンズに無水エタノールを浸したメガネ拭きで綺麗にしました。

イカリングの配線を修理して点灯テスト

ライトユニットの分解作業には、予めイカリングを取り外しましたが経年劣化で配線が切れてしまったため配線を修理して点灯テスト。

イカリングの昇圧回路の配線のヒシチューブを貼り直しした
イカリングの昇圧回路の配線のヒシチューブもすべて貼り直しを行いました。

 

透明のアクリルフォーム両面テープ

イカリングの固定には本体付属のクリップと透明のアクリルフォーム両面テープを使いました。100円均一で入手可能です。

リフレクターにLEDの座を取り付けてみた

早速、リフレクター部分にLEDの座を取り付けてみましたが、残念ながらリフレクター本体に対して座がゆるい状態(苦笑)これでは走行中にLEDバルブが動いてしまいます。(座は回転はしませんが、上下には動いてしまいます。)

ゴム板の切れ端を使用してLEDの座が動かないようにした

仕方がないのでLED側の座とリフレクターの隙間を埋めるためにゴム板の切れ端をカットして、隙間をうめつつLEDの座が動かないように固定しました。これでカタカタと音が出ることもなくなりました。

LEDバルブの配線を延長した

LEDバルブですが、本体の配線が短いので少し延長しました。LEDバルブの昇圧回路もライトユニット内部に収まり、電源配線はHIDのイグナイターとバラストつなぐ穴から引き出しました。

イカリングライトの配線

イカリングの配線も上記の赤矢印部分から引き出して、通称「鼻○そ」を使ってライトユニットの穴を埋めました。湿気抜きの穴があるのでライトユニットは基本的に密閉状態にします。

イグナイターを取り外してLEDバルブを装備して組み上げたライトユニット

左側片側だけで4時間近くかかりました。構造を理解しつつ、イカリング配線を修理しつつだったのでかなり時間がかかりました。

左側のライトウィンドウォッシャーポンプ

先日のスーパーチャージャーのオイルタンクの移設の際に右側のライトウィンドウォッシャーポンプを取り外しましたが、今回は左側のポンプを取り外します。

左前のウィンドウォッシャーポンプ

ポンプのみを取り外して元に戻しました。水圧がかかるとノズルが飛び出して、ライトに向けてウィンドウォッシャー液を噴射する仕組みになっています。

ライトユニットを戻す前に周辺を簡単に清掃

ライトユニットを戻す前に周辺を簡単に清掃します。

ライトユニット下側の座を元に戻す

ポンプを取り外したライトユニット下側の座を元に戻します。上記の写真を見るとライトユニットを固定している4本のネジのうち2本のネジの受けになっているのでライトユニット脱着時のネジの位置は大体この辺です。

IMG_0082.jpg

HIDのバラストに刺さっていたコネクターに先程延長して作成したLEDの電源ケーブルを差し込みます。極性レスタイプですが、一応車両側の電極を確認の上コネクターに針金の心を差し込み、アセテートテープを巻いて絶縁、防水対策を行いました。(車両本体側からの配線は茶色配線がGNDになります。)

テープを剥がした後、ベタベタしない布っぽいビニールテープの代わりとして、これ関係にはアセテートテープは必須アイテムですね。

LEDバルブの点灯テスト。左LED、右HID

ライトユニットの装備が完了したので点灯テストです。取り急ぎシャッター内部壁打ちしてみました。写真だとわかりにくいのですが、左側がLED、右側はHIDです。倍とは言いませんが、今回装備したLEDバルブの方が1.5倍は明るく「爆光」です。この光量ならば車検で「暗い」と言われる事はないでしょう。

ライトユニットからリフレクター部分を取り外す際に、上下の光軸調整は完全に狂ってしまったので、シャッター内部の壁打ち状態で光軸の上下調整を行い、暗くなってからお迎えさんのお家の壁にライトを点灯して上下方向の光軸調整を行いました。最終的には光軸調整してもらう必要がありますが、HID装備の状態で光軸とカットラインの位置を覚えておいて、近い位置に合わせればとりあえずはOKです。

バラストがエンジンルームからなくなってすっきり!

いやーバラストがなくなって本当にすっきりしました。長年、本当に邪魔で邪魔で仕方がなかったので、なんとも爽快感があります。(笑)

 

LED化に伴う重量計測

まずは取り外したバラストの重量計測。

バラスト本体の重量計測

 バラストとバラストを固定している金具(これは通常の車両にはありません)で547gでした。

イグナイターとHIDソケットの重量

続いてイグナイターとHIDソケットの重量は223gでした。

IMG_0088.jpg

今回装備した12V駆動のD2S形状のLEDバルブは76gでした。

片側694gの軽量化、両方で約1.4Kgの軽量化となりました。

HIDバルブとLEDバルブの明るさ比較

ハレーションしているのであまりよくわかりませんが、右がLEDバルブ、左がHIDバルブです。光の色が違うように見えますが、あきらかに右のLEDバルブの方が明るいです。
この明るさならばLED化しても間違いなく問題ないと判断したので、今度は右前のフロントライトを取り外し作業にとりかかりました。

フロント右前ライトユニットの取り外し

つい先日、スーパーチャージャーのオイルタンク移設でライトユニットを脱着しているので結構簡単に取り外しが行えました。

ライトユニットの光軸調整のネジとリフレクターがつながっている部分

左側でリフレクター部分の脱着方法をマスターしたので以外と簡単に余裕をもってリフレクターの脱着を行えました。上記の赤矢印の部分がライトユニットの光軸調整のネジとリフレクターがつながっている部分です。

問題のボールジョイント部分

赤い部分が問題のボールジョイント部分です。右側は5分かからず分解出来ました。光軸調整のネジを外した後、ボールジョイント部分にシリコンルブスプレーを吹きかけてリフレクターを手前に引き出してボールジョイントをナイロンクリップから力業で外しました。逆に組み立てのときはボールジョイントに向かってナイロンクリップを押し付けて取付を行いました。

イグナイターの取り外しを行った右側ライトユニット

左側で散々分解に苦しんだおかげで右側は結構簡単にライトユニット内部のイグナイターを撤去することが出来ました。右側も左側同様に、プロジェクターレンズの内部掃除を行いました。

右側ライトユニットとその周辺パーツ

車両への取付も左側同様に行いました。

IMG_0104.jpg

右側もLEDバルブ装備後、シャッター内部へ壁打ちして上下方向の光軸調整を行いました。今回ライトユニットの脱着の際、基本的に左右の光軸ダイヤルは触れないようにしたので上下だけHIDバルブの時と同じようにカットラインが出るようにすればとりあえずの光軸は大丈夫かと思います。光軸は上を向いていないので対向車に迷惑にはならなと思いますが、後日光軸調整器で行ってもらう予定です。

関連記事:ヘッドライト光軸調整(BMW E46)

大変長く5年近くかかりましたがイカリングのCCFL以外のすべてLED化することが出来ました。(イカリングはCCLFのまま使用します。)LED化する事で大分消費電力も抑えられ、おまけにこれまで以上に明るくなり良い事だらけです。HIDバルブをLED化すると暗くなってしまうというブログ記事などを沢山みてきましたが、ここ最近のLEDバルブならば明るさの問題はクリア出来ていると思われます。

以上、「これで全部LED化完了!E46フロントヘッドライトのLED化(その17)」でした。

※HIDのLED化について、今年の車検後にまた追記したと思います。

追記:2022年9月に行った車検は何も問題なく通過致しました。

 

 

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