LEDテールライトがフリッカーを起こす対策(BMW E46 NCS-Expertの使い方メモ)
- 2018/10/09 10:13
- カテゴリー:DIY作業
- タグ:#bmw, #e46, #LEDテールライト, #フリッカー, #NSC-Expert, #コーディング
LEDテールライトがフリッカーを起こす対策(BMW E46 NCS-Expertの使い方メモ)
フリッカーって言ってもピンと来ないですよね。(笑)
ブラウン管時代のテレビの頃は一般的だったような(笑)
要するにFlicker、チラチラすることです。
チラチラといってもイカリングやLED化したライトみたいにエンジン始動直後に何度かフラッシュ点灯するのではなく、ライト点灯中にチラチラするので、コールドチェックのちらつきとは違うチラチラです。(笑
先日こちらで取り付けたEAGKE EYES(イーグルアイズ)製のLEDテールランプですが、昼間は気が付かなかったのですが、夜撮影してみたらLEDが少しチラチラしていました。
関連記事:
13年経過! BMW E46 クーペ LEDリアテールライトの交換
写真では伝わりにくいので、どのように表現したら良いのかな?
エンジンのノイズが影響ような感じで、LEDの応答性が良いせいなのか光がチラチラして見えます。
常にじゃないんですが、じーっと眺めていると結構目に付く感じです。
バッテリーがヘタリかけでオルタネーターの発電量が少なくて、光が弱った状態でLEDを点灯させた状態という表現が近いかな?!って伝わらないか...汗
早速調べてみた
単純にLEDテールライトに供給される電圧が安定していないのでフリッカーを起こすのでは?っと安易な予想を元に、こちらで作成したバッテリーサルフェーション除去器が悪さしているのではないか?っとまずはサルフェーション除去器を外してみた所、変化なし。
関連記事:
安易な予測が外れたので(笑)元々EAGLE EYES製はBMW E46前期用のために取り付けられていた警告灯・ウィンカーハイフラ対策用のメタルクラッド抵抗を調べてみる事にしました。
LEDに並列に抵抗を付ける事で電球と同じ状態の消費電力にするために、かなりのワット数のメタルクラッド抵抗が3つ付いてますが、配線図を起こして調べてみると、テールライト、ブレーキライト、ウィンカーの3つの点灯への対策で3つ取り付けられているようです。(テールライト内部までは調べていませんので、あくまでも回路図からの想像です。)
メタルクラッド抵抗を取り外したハーネスを車両側に取り付けて、ライト点灯時の各配線の電圧を測定。
計測した時点で、バッテリー電圧13.8Vに対してテールライト点灯時、メタルクラッド抵抗への電位は14.14V来ていることを確認。
電源電圧よりも高い電位をデジタルテスターで計測できるということは、LCM(ライトコントロールモジュール)からPWM(Pulse Width Modulation)でライト点灯している事を証明していますね。
ならば、単純にコンデンサーを並列つなぎしてPWMによる電圧変動を吸収すればよいのでは?と思い、メタルクラッド抵抗の代わりにテールライト点灯時に電位が発生する配線に電解コンデンサーを1000μF、2200μFなどを接続してテストしてみたのですが、一向にフリッカーは収まらず...。
もしかして、LCM(ライトスイッチ)側はコーディングしてあるけどメタルクラッド抵抗を取り外してしまった事で「フリッカーが発生している?!」なんて、あるわけないと思いつつもメタルクラッド抵抗を元に戻してライトの点灯確認を行ってみましたがフリッカーは収まらず。
「EAGLE EYES製の製品の不良?!」なんて思いつつもLCM側がPWMでテールライトを点灯しているのは明らかなので「LCM側の問題か?」など色々と考えてみました。
余談ですが、最近の車というかBMWは20年前の車種でもライト点灯はPWM方式を使って効率よく点灯させているんですね。
ネットで検索みる
世界は広いので「多分同じような人はネット上にいるだろうなー」と思い、ネットで「EAGLE EYES BMW E46 flicker」で検索してみると、何件か同じような人が見つかりました。
掲示板の書き込みなので、まじめに答えているようで「結局どうやって対処したの?」なんて事は書かれておらず、先の調査のようにLCMはPWMでライトを点灯しているので、LEDにするとチラチラしてしまうのでPWMパラメーターを変更する必要があるという内容を数か所で見つけました。
一部の掲示板では、LCMのバージョン4じゃないとダメみたいな事も書かれていました。(細かくLEDに対してPWM制御ができるみたいな書き込み。)
具体的にLCMコーディングのための具体的なパラーメーターは記載されておりませんが、発見できたのは、Z4のLCMをLED化するコーデイング内容。
上記はNCS-Expertで、Z4用のREAR LED Conversionを行うときの変更パラメーター一覧。
ここに「filcker of Tail Light」の説明書きがあり、LCMのパラメーター
PWM_ANSTEUERUNG_SL_RE_HI
PWM_ANSTEUERUNG_SL_LI_HI
の2つを発見。
パラメーターの定義がめちゃくちゃ(LCMのバージョンアップのたびに色々な人が追記したんだと思います。(笑))なLCMモジュールですが、意味的にSLはスタンダードライト、REは右、LIは左、HIはリアを意味しています。
どちらにしてもZ4とはLCM自体がバージョンが違うだろうし、E46で自分のLCMのバージョンでどこまで適合できるのかわかりませんので更に情報を集めてみました。
結局、E46のテールライトをLED化するにあたり、PWMの値の変更を行わなければならない情報がドイツ語の掲示板に記載されているのを発見。
全く読めないドイツ語ですが、グーグル翻訳に助けられました。(笑)
その内容は
- PWM_ANSTEUERUNG_SL_LI_HI (リア左)
- PWM_ANSTEUERUNG_SL_RE_HI(リア右)
- PWM_ANSTEUERUNG_SL3_LI_HI (リア左3)
- PWM_ANSTEUERUNG_SL3_RE_HI(リア右3)
- PWM_ANSTEUERUNG_SL2_RE_HI(リア左2※左がない)
- PWM_ANSTEUERUNG_BL(リアブレーキライト)
- PWM_WERT2_ALS_BL_AUSGANG(ブレーキライトの何か)
- PWM_WERT2_ALS_SL_AUSGAN(スタンダードライトの何か)
のパラメーターはLED化するにあたり変更する必要があるとの事。
上記の括弧内部は自分で調べた内容なので意味不明な事が書かれていますが、クーペ車両の場合ライト構成が単純ですが、セダンで海外車両などを含むとテールライトは3つに分かれているので細かく対応するためにパラメーターが定義されているようです。
最後の2つのパラメーターはサイトによっては、フォグランプに関するパラメーターという定義だったり色々な情報があるのですが、E系BMWでコーディングで必須なNCS-Expertを使う上で必須なフリーウェアNCS Dummy上でも詳細未定義内容でした。
で、何度も書き換えて調べた結論から言うと、下記のパラメーターの
- PWM_ANSTEUERUNG_SL_LI_HI
- PWM_ANSTEUERUNG_SL_RE_HI
- PWM_ANSTEUERUNG_SL3_LI_HI
- PWM_ANSTEUERUNG_SL3_RE_HI
- PWM_ANSTEUERUNG_SL2_RE_HI
- PWM_ANSTEUERUNG_BL
は、すべてwert_01へ変更。
これだけ変更しても、テールライトのフリッカーは収まらず、最後の2つ
- PWM_WERT2_ALS_BL_AUSGANG
- PWM_WERT2_ALS_SL_AUSGAN
を、wert01からwert_02へ変更したら、見事にフリッカーは収まりました。
ちなみに自分の使用しているLCMのバージョンは、少し古めのバージョン3.11です。
詳細はこちら。
関連記事:
LED化計画:ライトコントロールモジュール(LMC)入手(BMW E46)その3
動画で撮影してもフリッカーが収まったことが伝えられないので、(そもそも動画でフリッカーが発生している事が伝えられない)普通に点灯している写真ですが、先のコンデンサー追加などのハード的な改造なしでLEDテールライトのフリッカーを抑えることができました。
NCS-Expertを毎回使うときに苦労するのでメモ
以下このメモは、自分の環境のNCS-Expertと自分の車用なので、他の方が参考にするにはかなり異なる場合がありますので、参考にする場合は注意してください。(あくまでも自分用のメモです^^;)
自分のNSC-Expertは、昔アマゾンで購入したものINPA ケーブルに付属していたものを使用しています。
関連リンク:
INPA Ediabas K+ DCAN USB OBD2 OBDIIカー診断ツールケーブルBMW用
NCS-Expertデータの読み込み、書き込み方法(FSW_PSWコーディング)
以下、読み込み、書き込み、共通作業。
- NSC-Expert起動
- FileメニューからLoad Profile 「FSW PSW MAM」を選択
プロファイル名環境によって色々とあったりします。初期のNCS-ExperにはExpert modeというプロファイルから書き込み可能なプロファイルを自分で作成する必要があります。(パスワード:repxet) - F1キーを押す
- F3キーを押す
- E46(車両を)を選択(ダイアログが表示される)
- EWSを選択(自分の車両はEWSです。)
- F6キーを押す
- F4キーを押す
- LSZ(対象のモジュール)を選択
続いて、
■データ書き込みの場合(FSW_PSWコーディング)
ワークフォルダに保存したるFSW_PSW.MANを書き込みF3キーを押すと書き込みされる
FSW_PSW.MANはNSC Dummyにて作成する。
※「JOBNAME」が「SG_CODIEREN」になっていないと書き込めない。SG_CODIERENに切り替えるのはF2キー「JOB」をクリックして切り替える必要あり。(NCS-Expertを立ち上げたまま繰り返し編集して作業しているとJOBの内容が勝手に変更されるので注意)
※書き込みが出来たように見えて書き込めない事があるが、Load Profile で「FSW PSW MAM」を読み込めば、FSW_PSWコーティングの場合は100%書き込みが成功する。手持ちのプロファイルで書き込みできないプロファイルもあるので注意。
■データ読み込みの場合
F4を押すとでFSW_PSW.TRCとNETTODAT.TRC2つのファイルがNCS-ExpertのWORKフォルダにファイル書き出しされる。
■その他
- NSC-Expertにはコーディング方法が2つありFSW_PSWとNETTODAT。
- FSW_PSWとNETTODATの違いはファイルを見る限り、アスキー形式とバイナリー形式の違いらしい。
FSW_PSWはファイルの内容を人間が見てテキストベースで編集可能。編集可能と言ってもファイルの内容がドイツ語?オランダ語?なので自分には意味不明。
NETTODATは16進数をテキストで記載したファイルなので、人間が直接編集するのはほぼ不可能。 - NSC-Expertでは、ファイル拡張子.TRCデータが読み込んだデータ、ファイル拡張子.MANが書き込み用データである。
- 初回NCS-Expretで読み込んだFSW_PSW.TRCとNETDODAT.TRCは必ずファイルバックアップをすること。
- 自分のLCMはFSW_PSW.MANでしか書き込みができなかった。(情報によるとコーディングするモジュールによってはFSW_PSWによるコーディングしかできない場合があるらしい。)
NETTODAT.MANでのコーディングはエラーとなるので、NCS-Expertでコーディングデータを読み込みFSW_PSW.TRCファイルに書き出した後、NCS_Dummyで編集してFSW_PSW.MANをNCS_Dummyから書き出してNCS-Expertで書き込み、っといったルーチンワークでをLCMをコーディングする。 - NSC Dummyは終了する際にFSW_PSW.MANを殻のファイルにするか聞いてくるので、NCS-ExpertでFSW_PSW.MANの最終書き込みが終わったら自分でファイルのバックアップを作成しておく方が安全。
- コーディング中はエンジンをかけた状態か、バッテリー充電状態で行う事。もしエンジンをかけないで、バッテリーも充電できない環境の場合、車の装備品の消費電流は最小限に抑えて作業する事。
- ライトモジュールはLSZだったり、ALSZだったり、LCMだったり色々な名前がネット上で定義されている。車種や言語によって若干異なる。
- NSC_Dummyは、NCS-Expertで読み込んだFSW_PSW.TRCとNETTODAT.TRCのどちらも読み込んで編集してMANファイルを作成することができる。
FSW_PSW.TRCからFSW_PSW.MANを作成したり、NETTODAT.TRCからFSW_PSW.MANを作成も可能。
セオリー的には、
FSW_PSW.TRC→FSW_PSW.MAN
NETTODAT.TRC→NETTODAT.MAN
というのが基本らしい。
但し、FSW_PSW.TRC→NETTODAT.MANはNGらしい。
自分はNETTODATコーディング行ったことが無いので詳細不明。 - 読み込み・書き込みを繰り返し作業する場合、前回の最後に書き出したFSW_PSW.MANをNCS_DUMMY読み込んで編集してから新規にFSW_PSW.MANを書き出した方が安全かもしれない。
以上、「LEDテールライトがフリッカーを起こす対策(BMW E46 NCS-Expertの使い方メモ)」でした。