クーラント温度センサーのハーネス付近の配線劣化対策1(BMW E46)
クーラント温度センサーのハーネス付近の配線劣化対策1(BMW E46)
前回の記事に続きます。
こちらの記事でクーラント温度センサーのハーネス付近の配線が劣化して被覆が破れて内部の銅線が見えてしまっていたので簡易対策を行いましたが、電動ファンが全開になる根本的な原因解決には至りませんでした。
クーラント温度センサーのハーネス自身は25年経過していて見た目問題なさそうに見えますが、常にラジエターからの熱風にさらされている場所なのでハーネスの交換を行いました。
交換するハーネスですが上記の写真の未使用の同形状のハーネスの延長ケーブルが手元にあったのでそれを利用してみる事にしました。
クーラント水温センサーのハーネスに繋がる配線のビニールテープを剥がしてみると配線被覆が何故かオイルがついたような状態になっていました。ビニールテープの粘度は25年経過しているので糊によるベタつき感は全くありません。
一応パーツクリーナーで配線被覆のオイル分を洗い流してオイルのベタつき感がなくなるようにしました。一体なんのオイル成分ですかね?
あくまでも自分的な想像ですがクーラント温度センサー付近にあるエアコンのコンプレッサーが高圧になりすぎると保護のため大気開放する仕組みになっているので、高圧になつた際に開放したエアコンガスのオイル成分が染み込んだのではないかと考えています。かれこれ25年、過去にエンジンオイルがタペットカバーから吹き出したり、燃料レールがズレてガソリンが吹き出したり色々な事がありましたが、一番の濃厚なのはやはりエアコンのコンプレッサーから吹き出したガスのオイル成分の影響かと思います。
交換するハーネス側はすでに配線済みなので配線同士を結びつける段階で元々の配線の被覆を剥いたところ、上記の写真のように配線自身に問題発見。内部の銅線が酸化して黒くなっていました。これはちょっと困った問題です。場所が場所だけに熱と湿気の影響を受けやすいのですが、E46ぐらいの年式(2000年前後)の車種からは配線の酸化なども考慮した配線が採用されていると思っていたのですが25年経過するとやはり駄目っぽいです。
実際に見せて頂いた事があるのですが、旧車のフェラーリなどの内部配線は信じられないぐらいお粗末な配線が使用されて驚いたことがあります。(配線の容量不足や被覆が弱く触っただけで剥がれてしまう)よく旧車の火災ニュースを目にする事が多いと思いますが、火災原因はガソリン漏れとお粗末な電気配線を使用したことが原因だったりします。(旧車のフェラーリなどは電気系の配線の引き直しをすると驚くほど調子がよくなったりするとの事です。オリジナル重視や改造を拒むことで電気系トラブルのリスクはかなり高くなります。)
被覆を剥いた状態の内部の銅線は数本が黒くなっていましたが、数本は綺麗銅の状態。正直、酸化した配線をこのままにしたくありませんが、配線の引き直しをするとなるとかなり大変なので取り急ぎこの部分に圧着スリーブではなくフラックスを使用してハンダ付けで対処しました。(圧着スリーブだと更に酸化を招くかと考えました。)
問題となったハーネスの根本部分ですが、サイズ違いの収縮チューブを3重で使用してさらに液体ガスケットで完全防水対策。
そして配線自身はアセテートテープを巻いて上記のように保護しました。
アセテートテープはビニールテープと違って剥がしたときに完全ではありませんがベタベタしません。
前回の記事で電動ファンのモーターとモジュール交換をしたので配線の取り回しを対策して一応形にしました。
この状態で冷間時からのエンジン始動をテストしましたが、水温が安定するまでの間、電動ファンが全開で回る症状は発生しませんでした。BOSCH製の純正モーターに変更したらファンの音がほぼ聞こえなくなったので、これまでのように信号待ちや一旦停止時に電動ファンの音に気が付かなくなってしまうかも(苦笑)
電動ファンが全開になる症状が発生すると、INPAで電動ファンのDutyを変更するか、一度エンジンを切って再始動しないと電動ファンが全開で回り続けているので、現状は症状が収まっているようです。
続く。