ブログ記事

クラスターユニット(メーターユニット)コンデンサー打ち直し(BMW E46)

クラスターユニット(メーターユニット)コンデンサー打ち直し(BMW E46)

先日、こちらの記事でステアリングホイールの交換後、近所を初走行していたらブレーキ警告灯(赤)ABS警告灯(黄色)が同時点灯。時間にして1~2秒間後に消えました。少し前に交換したABSセンサーに伴う何かエラーが発生したのかなー?なんて思いつつ、すぐに消えてしまったので特に気にも留めず...。

関連記事:ABSセンサー交換(BMW E46)

翌日、INPAを使用してABSユニットのエラーを確認してみましたが特にエラー等は残っていませんでした。一応ついでにクラスターユニットもエラーが残っていないか確認してみましたが何もなし。

エラーが残っていないので特に問題ないとは思ったのですが、走行中にブレーキ警告灯(赤)ABS警告灯(黄色)が同時点灯したのは、25年乗り続けて初めてだったので、この2つが同時に点灯したときに何が起きているのかを調べてみました。

まずはABSユニットの問題でのCBC警告灯としてブレーキ警告灯(赤)ABS警告灯(黄色)が同時点灯するとの事。先日交換したばかりのABSセンサーに関連してこちらの記事で悪戦苦闘したABSユニットがまたトラブル発生したのかも?

関連記事:ABSユニット修理 1人でDIYで作業(BMW E46、多分E36、Z3とかも同じかな?)

もしABSユニットだとしたら、頻繁に警告灯が点灯するはずなので、しばらく様子を見るしかなさそう。

その他、ネット上で色々調べてみるとクラスターユニットの内部の電子部品である電解コンデンサーが寿命を迎えるとブレーキ警告灯(赤)ABS警告灯(黄色)のみが点灯してエンジンすらかけられなくなってしまうらしい。そんなときはクラスターユニットの電源フューズ3つ(だったかな?)を外してあげるとエンジンかかるらしい。なんて動画をYoutubeで見た覚えあったかなー?単純にクラスターが死んだ状態のままだとEWS経由でイモビライザー通過できなくなってしまうらしい。で、クラスターユニット内部にはいくつかの電解コンデンサーが使用されていて、特に容量が大きな電解コンデンサーは液漏れして蓄えられる電荷量が減ってしまいトラブルの原因となっているみたいです。(車のコンポーネントで液使用のディバイス使うなよって話。昨今ではそんな風潮があるみたい)

自分のE46も今年で25年。もう5kmで27万キロ走行なのでクラスターユニットに付いている電解コンデンサーは寿命を超えて使い続けている状態。
そこでまずはクラスターユニット内部を確認してみることにしました。

取り外したクラスターユニット

いきなりですがクラスターユニットを取り外してきた裏側。取り外しはバッテリーのマイナス端子を外してからユニットを固定している2本のトルクスボルトを外して、上記の写真の左右にあるハーネスを外すだけで簡単に取り外しが行えます。

クラスターユニットの分解はまずは裏面パネルを固定しているネジ(これもトルクスボルト)を外してから内部にアクセスします。(私のは4本のネジで止められていました。何故かネジが1つ付いていない。というか取り付けた形跡すらない)

問題となる電解コンデンサー

ネットで調べるとクラスターユニットはいくつかのバージョンがあり、上記の青い大きな電解コンデンサーが問題となる電解コンデンサー。どのバージョンも470μF/35Vというのは同じらしい。

海外の写真のワーストケースをみるとコンデンサーが液漏して電解液でショート、または単にコンデンサーが電荷を蓄えられなくなった事が原因なのかは定かではありませんが、電解コンデンサーの根本付近にある3つのトランジスタ(小2つと大き目ののが1つ)が焼けてしまうケースがあるようです。

自分のクラスターユニットの基盤は綺麗な状態だったので「これならまだ大丈夫!」なんて高を括るっていたら、電解コンデンサー根本の基盤のラウンド(穴)に光をあててみたら、何か液体が光っているような感じがしたのでピンセットを当ててみたら、

ラウンドから液体っぽいのが出てきた

何やら汁っぽいのが出てきました(苦笑)上記の写真だとコンデンサの下にある2つのラウンドの左側(シルバーっぽい方)

更に液体が出てきた

更に液体をピンセットで引っ張ってみると、出てくる出てくる...(妖怪人間か?)

更に液体が出てきた

更に汁をピンセットで引っ張ってみるとまだまだ出てくる。

これは完全に電解コンデンサーの内部の液体がうまくラウンドホールに溜まっていた状態ということになりますね。そばにあるトランジスタまで流れでてしまうとショートして焼けてしまうって事かな?

これは完全に電解コンデンサーアウトー。ネット上に情報があった通り、クラスターユニットの基盤上の470μ/35Vの電解コンデンサーを打ち直し(交換)する必要があります。

実はわたくしこの半年間ぐらいで、サーバのマザーボード上の電解コンデンサーの打ち直しは500個以上やっているので、実は慣れた作業だったりします。経験値だけはプロってこと。なので早速交換することにしました。

私のバージョンのクラスターユニットの基盤上には5つの電解コンデンサーがついていましたが、今回は容量の大きい青い3つ(470μF/35V1個と220μF35V2個)を交換することにしました。

まずは基盤をクラスターユニットの本体から取り外す必要があります。

取り外したメーターの針

メーターの針5つを外しました。針の中心部分のプラスチック製カバーは経年劣化で簡単に折れて外れてしまったので瞬間接着剤で修復しました。わたしくの車は前期型でも一番最初のクーペなので針の形状が違うみたい。メーターユニットBOSCH製じゃないしw

バックライトパネル

メーターパネルを外してバックライト用の透明のプラスチック製のパネルを外し、中央の液晶とオートマの液晶の爪を基盤から取り外す事で基盤のみを取り外す事ができます。

取り外した基盤の裏側

取り外した基盤の裏側、問題の電解コンデンサー付近です。裏面は製造時のフラックスが滲んだような跡がありますが、コンデンサーの液漏れ等は見当たりませんでした。

ラウンドからの液漏れ状態

先程の液体ですが、最終的に上記の写真のような感じで漏れてきました。こうしてみると結構な量ですね。基盤の穴に表面張力でくっ付いていたんだと思います。

液体を綿棒でふき取る

この時点で綿棒を使って徹底的に液体をふき取りました。写真だとラウンドとパータンの接続部分が黒く見えますがパターン剥離等は起こしていませんでした。

秋葉原千石電商

手持ちの電解コンデンサーにこのサイズの105℃以上の物は都合よく持ち合わせがありませんでしたので、秋葉原の千石電商さんへ行ってパーツを調達。

低ERS電解コンデンサーの棚

購入した電解コンデンサーの棚です。お店の方に許可を得て撮影しております。
購入したのは低ERS電解コンデンサー35V 220μF 105℃2個と35V 470μF 105℃1個です。液漏れするのは470μFだけっぽいので 220μFは交換しなくてよいかもしれませんが「とうの昔に寿命は迎えている」、「容量が比較的大きめ」、「クラスターユニット上で問題のある電解コンデンサーと同じ種類」なので一緒に交換した方が良いかと思います。
もしこの記事を参考にDIYしようと思う方がおられましたが、コンデンサーのサイズはご自分のクラスターユニットを実際に確認の上ご購入下さい。海外のサイトではクラスターユニット用交換用電解コンデンサーを販売しているサイトもありました。(交換方法の説明書がついているそうです。一応リンク貼っとくねーここ

問題のコンデンサーを取り外した

自宅に戻って早速交換。まずは問題の液漏れしている470μFの電解コンデンサーを取り外してみました。上記はコンデンサーを外した後ですが、何か漏れたような跡がありますね。

取り外したコンデンサーと新品のコンデンサーの比較

取り外したコンデンサーと今回購入したコンデンサーを並べてみました。サイズ的にはほぼ同じなのでスペース的に打ち直しも問題ありません。同一メーカーの電解コンデンサーが入手出来ればよいのですが、メーカーが異なると「径」、「足のピッチ」、「高さ」が異なり、パソコンのマザーボードのようなスペースに限りがある基盤の打ち直しはコンデンサーのサイズも考慮して入手する必要があるため、なかなか大変だったりします。
クラスターユニットはスペース的に余裕があるので場所にもよりますが電解コンデンサーの高さなどはあまり気にしなくても大丈夫そうです。

220μFのコンデンサーを取り外した状態

続いて問題のコンデンサーの隣にある220μFの電解コンデンサーを取り外してみました。基盤上に先のような漏れ跡はありませんでした。

コンデンサーの打ち換え完了

1個5分ぐらでしょうか?3個のコンデンサーの打ち換え完了です。

メーター張りを元に戻した状態

クラスターユニットを組み立てていきます。針の位置は半時計回りに回して、5つの針をメーカー開始点(ゼロ)に針の位置を合わせました。今回の作業では、針の取り外しが一番気をつかったかな?25年経過のプラパーツなので破損しないように内張剥がしなどを使用して丁寧に取り外しました。

Iクラスターユニットの動作確認

クラスターユニットを車両に戻してエンジン始動。問題なく動作を確認。走行してスピードメーターの動作も確認しました。

取り外したコンデンサー

改めて取り外したコンデンサーの足元を見てみると一番大きな470μFは漏れたような痕跡がありますね。気が付いてよかったー。

今回クラスターユニットは液漏れ確認するだけのつもりでしたが、幸いにもクラスターユニットが故障する前に液漏れを発見する事が出来たので修理をDIYで行いました。

ブレーキ警告灯(赤)ABS警告灯(黄色)の点灯理由がクラスターユニットであってほしいのですが、しばらく様子を見てみたいと思います。

遅かれ早かれE46全車種で同じ問題は発生するのでいつかこの記事が誰かの参考になれば幸いです。今回交換したコンデンサーの周辺の半導体が焼けてしまったら半導体の入手は簡単じゃないので業者に出すしかないですね。ここの業者とかには修理事例が出てますので気になる方は問い合わせてみると良いかもしれませーん。なおこの記事を参考にしても当方は一切の責任を負いませんので自己の責任の範囲でご参照下さい。確認はしてませんが、この手の基盤は積層基盤が採用されている(プリントパターンが表と裏だけじゃなくって基盤の層内部にもパターンがある。4層とか今は8層とかもあるのかな?知らんけど…)ので目視だけでパターン剥離は確認出来ません。なので慣れてない人が打ち直しやるとプリント基盤を破損することがあります。

以上、「クラスターユニット(メーターユニット)コンデンサー打ち直し(BMW E46)」でした。

 

ページ移動

ユーティリティ

スポンサーリンク


ブログ記事検索

エントリー検索フォーム
キーワード
例:abs修理、メーターフード自作

過去ログ

Feed