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冷却水(クーラント)量の確認、リザーバータンクの破裂を避けるノウハウ(BMW E46)

冷却水(クーラント)量の確認、リザーバータンクの破裂を避けるノウハウ(BMW E46)

こちらのブログでエアコンのドライヤーとコンデンサーの交換作業に伴いラジエーターも外す必要があったので、クーラント全量交換作業を行いました。

関連記事:25年間使い続けたエアコン回りの部品交換を行いました(BMW E46)

クーラントの交換後エンジンの暖気が終わったらクーラント量の確認を行う必要があるのですが、今回は「自分で行います」ということで自宅に戻ってエンジンが完全に冷えた状態でリザーバータンクの冷却水量の確認を行いました。

クーラント量が減っていたい

こちらのブログ記事の写真ではナミナミ入っていた緑色の液体は案の定レベルゲージ最小となっていました。E46に限らずE系のBMWのクーラント注入は一度で完全に行えないためラジエター関連の作業でクーラント交換を行う場合はエンジンが冷えて再度冷却水量の確認を行うため、車両の一晩預かりになる場合が多いと思います。(冬場ならば3~4時間もあれば十分水温も冷えるので一晩預かりでない場合もあるかと思います。)作業ミスで冷却水漏れということも「無きにしも非ず」ですがね(苦笑)

取り合えず冷やした煮沸した水(一応塩素成分、カルシウム成分を飛ばす)を追加して、リザーバータンクの浮きがMAXになるようにしてから再び十分エンジンが温まるまで暖気後、一晩おいて十分冷えた状態で冷却水量を確認。

水量を再度確認。

漏れもなくばっちりでした。しばらくは走行後エンジンが冷えた状態で冷却水量は要確認ですね。
本来は走行前点検で冷却水量は確認しなければいけないのですがメンテナンスフリー傾向が強くなった昨今、警告灯等でエンジンをかける段階で発見できるので基本的な点検を怠ってしまいます。特にE46をはじめとするBMWのクーラントリザーバータンクは内圧変動を繰り返していますのでプラ樹脂製タンクが破裂して冷却水漏れを起こすという経験をした方も多いかと思います。

ちなみにクーラントリザーバータンクの破裂(爆発)原因は色々な理由が考えられます。

  1. リザーバータンクキャップの内圧調整が正常に行えない
  2. 樹脂製リザーバータンク経年劣化
  3. ラジエター&リザーバータンク水路経路の温度センサーの故障


大体こんな感じでしょうか?一応こちらの製品のように爆発する事はありえないアルミ製もあります。精度等はわかりませんが「リザーバータンクの破裂は絶対嫌」という方は選択肢の1つではあるかと思います。(多分ですがタンクはOKでも他に弊害が出ることは避けられないかと思います。)

1.リザーバータンクキャップの内圧調整が正常に行えない

SNS等で最近E46に乗り始めた方の写真とみるとラジエターキャップが初期のデザインのまま未交換の車両を時々見かけます。

古いデザインのリザーバータンクキャップ

上記は2001年11月30日の私の車両にノロジーホットアースを装備したときの写真ですが、右下に古いデザインのラジエターキャップが写っています。(写真が切れててすいません。)

現在の純正パーツのデザインはこちらの記事をご覧ください。一応リザーバータンクと同時に交換指定となっていますが、走行距離が短くリザーバータンクを交換したことがない車両もあるのかな?
キャップは再利用する事が多いのですがリザーバータンクの内圧調整を行うので要交換パーツです。基本的に圧力が高く(2bar以上)なると噴き出す仕組みになっています。特に何もトラブルや冷却水回りのメンテナンスもしていないのに、キャップ付近に冷却水が噴出した跡を見つけたら冷却水関連の点検を行う方が安全です。

2.樹脂製リザーバータンク経年劣化

リザーバータンク経年劣化は正直いつ破裂するのか推測出来ませんが、寿命を延ばす事は出来ます。(絶対ではありません。)一応BMW直系Dラーのメンテナンスでは3年に一度強制交換指定になっているとの事でした。素材がプラ樹脂なのでBMW的には消耗品扱いになっているのだと思います。私も2009年の冬に高速走行中に破裂した事があり、タンクの爆発は気温差によっておこる事が多いようで冬場に破裂するケースが多いようです。
リザーバータンクの破裂避けるためは膨張・収縮をなるべくさせないように定期的にリザーバータンクキャップの開閉、すなわち冷却水量の確認を行うようにすることである程度は破裂を避ける事が出来ます。これはリザーバータンクの内圧が上がる(冷却水が熱くなる)った後、エンジンが冷えて冷却水が想定以上に冷えた場合、内圧が負圧になってしまうのでホースを含む水路の弱い部分に負圧がかかり凹んでしまう状態になってしまいます。水路経路の弱い部分が膨張・収縮を繰り返し、ある日突然リザーバータンクの弱い部分が避けて破裂してしまうという状態に至ります。なので定期的目視による冷却水量の確認を行うことで(水路内部の圧力を大気圧にする)目に見えない水路内部の凹みを元に戻す事ができますので寿命を延ばせます。ですが長くても6年以上経過していたら交換すべきかと思います。
ちなみにですがリザーバータンクのキャップは内圧が上がりすぎると圧を抜きますが、負圧になった場合は外気を吸い込んだりはしません。なのでタンクやホース等の弱い部分は基本的に凹みます。

3.ラジエター&リザーバータンク水路経路の温度センサーの故障

冷却水温度センサーの故障による破裂はセンサーの誤動作で内圧が上がりすぎて破裂するというものです。E46の水温は2か所で見ておりメーターパネルに表示される水温計はエンジンブロック側に付いている温度センサーの内容を表示しています。それとは別に電子サーモスタット&電動ファンの制御を行うラジエター水路側に付いているクーラント温度センサーが誤動作することで水路の内圧が上がってしまいリザーバータンクが破裂してしまうケースがあるようです。汎用の診断機だとクーラント温度センサーの動作状態は確認できない場合が多いのでBMW 専用の診断機(INPA等)で暖気状態の各センサーの動作状態をモニターすることでこのトラブルは避けられるかと思います。この故障の厄介なのは水温計は正常(エンジンブロック側の温度は正常)なのにウォーターバルブが閉じた状態でラジエーター~リザーバータンク経路の水温だけ上昇してしまうというものです。原理がわかっていればすぐにトラブルシューディングが出来るものなので、やはり定期的にBMW専用の診断機(E46に完全対応しているもの)で動作状態のモニターを行う必要があるかと思います。

上記の3つ以外にも他の原因もあるかもしれませんが、企保的にリザーバータンクの破裂を避けるには、「定期的に目視によるリザーバータンクの水量確認は必須」にしておいた方が安全かと思います。

以上、「冷却水(クーラント)量の確認、リザーバータンクの破裂を避けるノウハウ(BMW E46)」でした。

 

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