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3Dプリンターでアルミインマニアダプタを作る(3)

3Dプリンターでアルミインマニアダプタを作る(3)

前回の記事に続きます。

細部の調整を行ったアルミ製インテークマニフォールドアダプターとガスケットの準備が出来たのでインストール作業を行いました。1月末の寒さに負けてインストールはもう少し先にしようかと思っていたのですが、3月末の気温な日が続いたのはラッキーでした。

インテークマニフォールドを外した状態

毎度のばらしの作業です。「毎度」にはしたくない作業ですが(苦笑)、自宅ガレージでのインテークマニフォールドの脱着作業は4回目となります。単純にインマインを外すと言っても自分の車の場合はスーパーチャージャー関連の配管の脱着はなかなかの難易度です。使用するレンチのサイズが頭に入っているので上記の写真の状態にするのに2時間程でした。(確か初回は5時間ぐらいかかったかな?)

アルミ製アダプターの位置合わせ仮組

早速、最も心配していたエンジンヘッド側とアルミ製アダプターの取付具合の確認を行いました。自作したガスケットは吸気ポートサイズが上方向に1mm程余白が必要だったためその場で再加工。アルミ製アダプターのポートサイズ・位置は計算どおりばっちりでした。

吸気ポートの段差はほぼなし

RACEMODE社のアダプターはM54エンジンベースで作成されているのでエンジン側の吸気ポートに対してアダプターのライナー径が少し大きめに作られていました。そのためエンジンヘッド側のポートの部分が段差になっていたので、その部分にブローバイガスのオイル成分が付着しやすく、さらに純正ノーマルのインテークマニフォールド用のガスケットの抑えが弱いためオイル滲みがひどくなりやすかったんだと思われます。

アルミ製アダプターの固定が完了

RACEMODE社のアダプターのインストールはアダプターとインテークマニフォールドを先に固定してからインストールを推奨していましたが、今回の自作したアルミ製アダプターを先にエンジンヘッドに取付けてからインマニの取付を行いました。この方がインストールが楽なのですがRACEMODE社のアダプターはN54インマニとの固定部分に強度的な問題があるためアダプターとN54インマニを組んでからインストールを推奨していたようです。アルミ製アダプターをエンジン側に固定してしまえばインジェクターとインジェクターレールの取付を先に行う事が出来るのでインストール作業は格段に楽になります。

VANOSのハーネスが干渉しないようにデザインしました

今回自分でデザインしたアルミ製アダプターの外側の形状は、インストール時の事を考慮してライナー部分を細目にデザインしました。RACEMODE社のアダプターは吸気側のVANOSのハーネス(上記の写真の赤青ワイヤー部分)がアダプターと干渉していまい、VANOSのハーネスの脱着はインマニを外す必要がありましたが、自分のデザインのアダプターはインマニを外さなくてもハーネスを脱着出来るようにデザインしました。

RACEMODE社のアダプターは色々な箇所でインストールもハードルが高かったのですが、自作したアルミ製アダプターはそれらを回避できるようにサイズ調整してデザインを行いました。

アルミ製アダプターのインストールは2日に分けて作業を行いました。アダプターの微調整はシミュレーション通りうまくいったので想定以上に作業が進みましたが組み立て作業はばらし作業の倍以上の時間を必要とします。正直言うとアルミ製アダプターの取付がちゃんと出来た安心感から疲れがドッと出てしまったので翌日以降に作業持越しです。

予め用意したN54インテークマニフォールド

中古のN54エンジンのインテークマニホールドはもう1つヤフオクから入手して必要な部分の加工して準備済み。ちなみにN54のインマニは同じ業者から2回購入しているので多分相当不思議に思っているんじゃないかな?普通に考えたらインマニなんて買う人ほとんどいないだろうしw これまで使用してきたN54のインマニはアダプターとインマニを液体ガスケットで完全固定してしまっているので簡単には取り外しが出来ないので再利用は諦め新規に調達。

インテークマニフォールド付属のパーツの移植

スロットルバルブやセカンダリーエアーバルブの負圧制御ソレノイド等の移植作業を行いました。

取り外したアダプターのガスケット部分

上記は例の問題点のエンジンヘッド側とアダプターの接続部分です。赤いガスケットにオイルが滲んでいるのがわかるかと思います。上記の写真の状態で走行距離5,000kmぐらいだと思います。アダプターを固定するボルトを通すサポート部分の厚みを薄く削ってありますが(こちらの記事参照)、なるべくガスケットを押し付けるように細工はしてみましたがあまり効果がありませんでした。この部分は過給機なしのノーマルエンジンの場合、大気圧~常に負圧状態になっているのでガスケットの抑えに少しでも問題があると2次エアーの吸い込み原因となります。素材はフッ素ゴム系なので簡単には劣化しないと思いますが結構厚みがあるのと形状的に経年劣化で痩せてしまうのは避けられないと思います。インマニを脱着するタイミングで必ず交換すべき箇所だと思います。

N54インテークマニフォールドのガスケット交換

続いてN54インテークマニフォールドのガスケットを交換しました。このガスケットは元々がターボエンジンなので純正パーツで問題ないかと思います。中古で購入したインマニに付いていたガスケットはかなり硬くなっていました。

N54インテークマニフォールドを固定

上記はN54エンジンのインテークマニフォールドを取り付けた状態です。アルミ製アダプターとインマニの固定はM7(BMWのインマニ関連は規格外のM7のボルトが多い)の50mmのボルト7本で規定トルク15Nmで行い、先程N54インマニに取付けたガスケットがしっかり押さえつけられてアルミ製アダプターとN54インマニの隙間からガスケットが見えない状態となり、先のスモークテストで煙が漏れるような事はまずないでしょう。この部分の問題点はナイロン製アダプターの反り、そしてアダプターを固定するボルトを通す部分の素材による強度不足。これらの問題はアルミ製アダプターによってすべて解決出来ました。

その他の組み立てを進めた

その後はその他の組み立て作業を行い、無事エンジン火入れ完了。

アルミ製インテークマニフォールドに交換後初のエンジン始動

 バッテリーのマイナス端子を外したのでトリップメーターがリセットされていますが、なんの問題もなくエンジン始動出来ました。

作業終了後の夜、久しぶりのハード作業で体のあちこちが痛かったのですがwラッピング走行に出かけてきました。

ラッピング走行中に立ち寄ったパーキング

ラッピング走行中に立ち寄ったパーキング

63km程ラッピング走行

走行距離は63kmでした。はじめは流して走行して問題なさそうなのでそのまま高速道路を走行してきました。途中パーキングで状態確認を3回程行い、当たり付けも問題なさそうだったで過給圧を掛けて走行を繰り返してみましたが、まったく問題なく走行出来ました。

アルミ製アダプターのインストール完了

いや~しかしここまで長かったな。ナイロン+カーボン製アダプターが2年持たず(今思えばインストールしたときから問題点があった)、アルミ製アダプター作成を考えたのが昨年の9月。まさか自分でモデリングして3Dプリンターで作成するなんて当初は想像すらしていませんでした。ちなみに私はCG制作には長く携わってきましたが3Dプリンタ用のデータ制作は人生初めてで3Dプリンターで物を作った事も初めて。初回にしてはかなりハードルが高い事をやったと思いますが一応吸気まわりの懸念事項は一通り解決する事が出来ました。

以上、「3Dプリンターでアルミインマニアダプタを作る」でした。

 

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