RACEMODE社のN54インマニアダプタを改造する
RACEMODE社のN54インマニアダプタを改造する
前回の記事から続きます。
チャコールキャニスターベントバルブ付近にオイルミストが付着していた問題ですが、原因として考えられるのは
1.インマニとチャコールキャニスターベントバルブを繋ぐホースに過給圧がかかることによってホースの経年劣化によってホースからにじみ出てくるオイルミストの付着
2.アダプタとエンジンヘッドの接続部から過給圧がかかったときにブローバイガスのオイルミスト成分が漏れ出てきている
のどちらかが原因と特定しました。
1番の問題は、今回インマニを下したので組み上げ時に耐圧、耐ガソリン、耐油のゴムホースへ交換することで対応可能。
問題のは2のアダプタとエンジンヘッドの隙間からの漏れです。事の発端はこの記事のRACEMODE社のアダプタを装備した時から始まっていたのかもしれませんが、N54インマニを装備してからアダプタとエンジンヘッド部分にオイルが頻繁に付着していました。色々と状況を調べてみると過給圧を頻繁にかかる回転域を使用すると漏れた後が激しいのでアダプタ自身が過給圧に耐える構造になっていないと推測。アダプタから取り外したガスケットを見てみるとわかるように
ガスケット全体にブローバイのオイルミスト成分が付着しています。
RACEMODE社のアダプタの細部を確認してみるとアダプタとエンジンヘッド側を固定するスタッドボルトの補強フランジ付きサポート部分が取り外す事が出来ましたのでサイズを確認。
フランジ付きサポートのフランジの部分の厚さが約2mm(1.9mm)で、この厚みの以上にアダプタをエンジンヘッドに押し付けて固定することが出来ません。すなわちフランジ部分の高さ分だけアダプタがエンジンヘッドから浮いた状態で取付られています。
実際に新品のインマニ用のガスケットを入手して厚みを計測してみると、
エンジンヘッド(吸気ポート)部分に押し付けられるガスケットのもっとも厚みがある部分は3.27mmぐらい。
そしてエンジンヘッド(吸気ボート)部分に押し付けられるガスケットのもっとも薄い部分は1.55mmでした。
ガスケットの厚さの誤差を含めても、アダプタのフランジの厚みが2mmあるとこのガスケットの薄い部分はまったくエンジンヘッドに押し付けられません。これではダメというかRACEMODE社のアダプタの設計ミスですね。
取り外したフランジ付きサポートはステンレス製で簡単に加工が出来ないため、近場の加工屋さんに連絡をしてフランジ部分を1mm削り落としてもらうことにしました。
加工してもらったのは学芸大学にある佐藤製作所さん。メールでお問い合わせして数時間で加工対応して頂きました。(感謝!)
上記の写真は加工後のフランジ付きサポートです。フランジ部分がかなり薄くなっているのがわかります。1mm無い(0.9mm)ぐらいになりましたので、ガスケットの薄い部分は0.5mm以上潰され、ガスケットの厚みのある部分は2mm以上押し付けられるようになりますので、これで構造上の問題はクリアできるかと思います。
実際にアダプタに装備してみるとこんな感じです。
上記の写真は新品のガスケットを装備した状態です。確実にガスケットよりもサポートのフランジ部分の方が厚みがないのがわかるかと思います。
フランジ付きサポートは抜け落ち防止のため液体ガスケットを薄く塗って固定しました。もう2度と外す事はないことを願ってます。(笑)
スロットルバルブを固定し、セカンダリーエアバルブへ繋ぐ負圧制御ソレノイドバルブ周辺のゴムホースを交換してインテークマニフォールドをくみ上げました。
上記はインマニの真下付近、エンジン本体とインマニを固定するサポート部分。この変は特に問題ありませんでした。
スロットルバルブとN54インマニを装備するにあたりワンオフで作成したインテークパイプの接続部分です。スロットルバルブ側にOリングをはめてシリコンルブスプレーを多めに吹きかけるとしっかりとはまりました。
ちなみにシリコンルブスプレーを吹きかけない状態ではOリングがきつくてとてもじゃありませんが取付出来ません。
このインテークパイプはインマニをエンジンに装備後に取付けるので、組み立てシミュレーションを行いました。
以上、「RACEMODE社のN54インマニアダプタを改造する」でした。