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グランドラインを追う(BMW E46)

グランドラインを追う(BMW E46)

タイトルだけ見ると海賊漫画みたいなタイトルですね。(笑)

ブログ記事というよりもどちらかというと自分メモです。まあ参考になる事は意外と多いかもしれませんので暇な人は読んでみて下さい。

私の車のエンジンはすべてMotecM800で制御されています。本来のECU(DME)はエンジン制御は一切行っていません。世間的に簡単に言うとフルコン制御されていますが、ECUも一応仕事はしています。先日よりMotecのグランドライン(GND線、アース線)に関して配線を確認して、いくつかの問題点を修正しました。M100系のMotecの場合「エンジンヘッドアースにA10,11は必ず落とす」というセオリーがあるのですが、その他エンジンセンサーグランド系B16、AUXグランド系B15、その他重要なIginitionSystem関連のグランド配線を確認した所、Motec用のGPSの接続やECUとのPiggyBack(ピギーバック)配線のグランドの取り方にいくつか間違いがあったので修正。B16系のグランドはTP、MPA、AT、Lambdaのみのグランドとして使用して、B15はアクセルペダルセンサー、GPS、燃圧センサー、クラッチSWに完全に振り分けました。A10,11に接続されるIginitionSystem(イグナイター)のグラウンドもA10,11に分岐する形で接続されていたので、エンジンヘッドへ直接グランドラインの引き直し作業を行いました。1点アース法で考えると大電流を流すIginitionSystemのグランドラインは明確に分けないとグランドライン間で電位が発生してしまいMotec全体のグランドラインがふらついてしまう可能性がゼロではありません。Motecのグラウンドラインを修正しても特に大きく変わる事は無かったのですが、ECU(DME)側のグランドラインについて手持ちのBMWのETM情報を元にグランドラインを追ってみました。

DMEグランド1

DMEグランド2

DMEグランド3

DMEグランド4

この辺の情報はベントレーのE46マニュアルも持っているのですが、一部グレーというか不明瞭というか隠し表記してあるのでETMの情報の方が確実・正確です。

調べたかった事はDMEのグランドラインがどこに接続されているのか?という点で、DMEのX60001にある3本のうちの2本、5,6番ピンのグランドラインは

X6258、X6459の場所

DMEボックスの底(DMEユニットを外さないと見えない)にあるX6258、X6459にまとめられてX6454へ繋がっていました。

残りのX60001の4番ピンのグランドラインは

DMEグランド5

X6459を経由してX6454へ接続されていました。DMEのメイングランドラインである3本もそれぞれ接続経路は違うものの、最終的にX6454へ接続されているのがわかりました。

「じゃあX6454はどこ?」ということで、ハーネスロケーション情報で調べれみたところ、

X6454の場所

DMEボックスから伸びるシャーシアース線でした。DME全体のメイングラウンドはシャーシに落とされているというのはちょっと意外でしたね。センサーの誤動作を防ぐためにエンジンヘッドのどこかに接続されていると思っていたのですが、上記の場所がDMEの命を守るグランドラインです。

この重要なDMEグラウンドを確認してみると設置面積的にちょっと問題のある繋がり方がされていたので(詳細は後程)、X6454とエンジンヘッドへグラウンドラインを1本配線してみることにしました。

まずはエンジンヘッドへ繋がるアースラインを分解してみると

ホットアースの収縮チューブが破損

20年以上前、Studieさんが綱島で店舗を構えているときに装備したホットアースの収縮チューブが破れていたので、収縮チューブを剥がして修復しました。記憶では2002年に装備したので21年間経過すればこんなもですかね。(笑)

汚れた状態のホットアースの丸端子

ホットアースの丸端子が汚れていたので、

リューターとワイヤーブラシ

ワイヤーブラシのリューターを使って研いて酸化を含めた汚れを撤去。

研き終えたホットアースの丸端子

リューターを使用すると短時間でかなり綺麗になりました。

エンジンヘッドを固定するフランジナット

またエンジンヘッドアースを固定するフランジナットも黒く酸化していたので、

研いたエンジンヘッドアース固定用フランジナット

こちらもリューターのワイヤーブラシで研いてパーツクリーナーで洗浄。

被覆を修理したホットアース

取り合えず元の状態にエンジンヘッドアースを組みなおしてみました。

ホットアースの線はかなり熱焼けしていますが、こちらで計測した結果重要な仕事をしてくれています。

関連記事:アイドリング時の各部電流量を計測してみた(BMW E46)

上記の記事を参照して頂くとわかると思いますがアイドリング時で常時10Aの電流が流れているので非常に重要なグラウンドラインという事がわかるかと思います。この時代(2000年前後)までの車両はメーカーがアース線の対策を本格的に行っていなかったので、最近の時代(ここ10年程)の車両と違いアース線の強化は非常に有効です。商品として売り出されたホットアースは車種別に配線の長さ、設置個所が明確になっていたので当時はヒット商品でした。いわゆる旧車と言われる車両はとにかくグランドライン(アース線)回りは強化、補強をした方が良いです。某イタリアのスーパーカーメーカーのアース線が細すぎて被覆が焼け焦げてたというのは有名な話で、グランドラインによる問題で古めのスーパーカーの火災原因となっているのは間違いないようです。

エンジンヘッドへ新たなグラウンドラインを配線

続いて先のDMEのメイングランドへエンジンヘッドから最大140W(約11A)流せる配線を4本束ねてFLチューブ(編組スリーブ FL-9)でまとめ、1本のケーブルを作成しエンジンヘッドへ接続。約40A以上の電流を流せるようなケーブルを作成し、

X6454へエンジンヘッドアース線を追加

DMEのメイングランドであるX6454へ配線を追加しました。

上記を見て頂くと先のETMのX6454の写真を異なる点がわかると思いますが、オイルキャッチタンクを取り付けるためのステーを固定するのにグランドポイントを使用して固定しています。オイルキャッチタンクステーを挟む形でフランジナットで固定しているのでX6454の丸端子の接地面積がかなり減っているます。これはDMEのグランドが不安定になる原因ですね。多分この車両にオイルキャッチタンクを装備したときからこの状態になっているはずなので2006年からかな?オイルキャッチタンクのステーはアルミ製ですが、表面が塗装されているので車両本体側に対して絶縁状態となってしまっています。フランジナット側は通電するのでシャーシアースに設置していないわけじゃないんですが、流せる電流量は接地面積で決まるので、この状態ではDMEグラウンドが不安定になる原因を作っているようなものです。今回写真のようにエンジンヘッドからの配線を丸端子の上にDMEからのグランドラインの丸端子を挟む形でフランジナットで固定したのでグランドラインが確実になりました。まあ、大きな差はありませんが、動作不安定になるであろう原因は対策しておいた方が安心出来ますね。

以上、「グランドラインを追う(BMW E46)」でした。

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