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MotecM100系でLambdaクローズドループ中の制御

MotecM100系でLambdaクローズドループ中の制御

今年の夏の夜、こちらのブログ記事で記載したガソリンタンク周辺がガソリン臭くなる問題は、チャコールキャニスターに溜まった気化ガソリンが正常にインマニに吸い込まれるようになったので、その後チャコールキャニスター周辺(トランク内部など)がガソリン臭くなることはなくなりました。

チャコールキャニスターベントバルブの制御方法はノーマルのDMEのマップをMotecのAuxチャンネルを2チャンネル使用して1チャンネルは水温監視して出力をチャコールキャニスターベントバルブに接続、もう1チャンネルはインマニ圧と回転数からチャコールキャニスターベントバルブの開閉率を解析したDMEのマップから移植という形(計算だけ行う)にしました。

しばらく乗っていて特に問題はないのですが、前回のブログにも記載したようにラムダクローズドループ中(排気ガスの空燃比を見て燃料の噴射量を調整している期間をラムダクローズドループと言います。)にのみキャニスターベントバルブを開くようにしないと燃料の計算が正確に行えないケースが考えられます。

前回は水温にての判定でしたが、今回Motecがラムダクローズドループ中にキャニスターベントバルブを開くように設定を変更してみました。

まずはOutputのAuxチャンネルの軸の設定ですが、MotecM100系(私はM800を使用しています。)のチャンネル一覧にはLambda Closed Loopなる項目はどこにも見当たりません。

Motec M100系のログ出力のStatus Flag一覧

そこでログ出力チャンネルの一覧の「Status Flag」(1~11まであります。)のヘルプを見てみると、

MotecログオプションのStatus Flagヘルプ

Status Group 1の4、5ビットが「Closed Loop Lambda2」「Closed Loop Lambda1」のオンのときがMotecがラムダクローズドループ中であることが示されていました。

そこで、これまで水温でチャコールキャニスターベントバルブの制御をしていたAux出力の軸をStatus Flags1に変更し

Aux出力の軸をStatus Flags1に変更

そして座標軸の数値はStatus Flags1の座標軸

上記のように設定しました。

先のStatus Flagのヘルプには4、5ビットがクローズドループ中を示すという事なので、16進数では10と20、その他1~3ビットがオンになってもクローズドループ中を判定するには10進数で16~63までの数値の間オンにすれば良い事になります。簡単な16進数のビット演算ですね。散々アセンブラ言語でプログラムを書いてきたのでこの辺は朝飯前というか見ただけですぐに理解出来ました。

数値的に15と64をグラフに配置したのは15以下と64以上はクローズドループ中ではなくなるのでチャコールキャニスターベントバルブをオン・オフを明確にするには上記のような軸設定が必要となります。

motec-aux05.jpg

 

続いてAux5(チャコールキャニスターベントバルブをPWMで制御するチャンネル)の数字はAux6テーブルで計算したPWMの数値をStatus1が16~63のときに出力するように設定しました。

これまで水温で制御を行っていましたが、ラムダセンサーはヒーターで温められて設定温度になるまでクローズドループを開始しませんので、エンジンの水温で判別するのと変わりませんし、エンジン再始動時もある一定時間ラムダセンサーはクローズドループを開始しませんので、実際には水温制御に似た水温制御以上の事が出来るようになります。

なによりもチャコールキャニスターベントバルブが開いてる間、ラムダクローズドループ中ならば突然燃料が濃くなるような事はありません。

ノーマルのDMEマップのPWMを移植したAUXチャンネル

チャコールキャニスターベントバルブの制御をノーマルのDMEから移植したマップの方は、インマニ圧が大気圧(100kPa)までの間で開くPWM数値を出力するように設定を変更しました。110Kpa以上は常にオフです。実際にはインマニ圧が正圧(加給圧がかかっている)ときは、ベントバルブに繋がるホースの途中にワンウェイバルブが入っているので、ベントバルブが開いても逆流しないようにはなっていますが、一応ベントバルブ側も加給圧かかっている時はベントバルブは閉じるようにしました。

設定変更後、Aux Table 5の動作をエンジン冷間時からモニターして動作を確認。幸いにもStatus Flag1の6、7ビットはLambda Coldを示しているので64以上の数値が出力されラムダセンサーの動作状況を明確に判断出来ました。

今回はチャコールキャニスターベントバルブの制御でMotecのラムダクローズドループ中の判定を行いましたが、M100系でラムダクローズドループ中に何かその他の制御を行いたい場合に参考になるかと思います。

以上、「MotecM100系でLambdaクローズドループ中の制御」でした。

 

 

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