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BMW E46のGM5(ゼネラルモージュル:ZKE)のバージョンアップを行いました

BMW E46のGM5(ゼネラルモージュル:ZKE)のバージョンアップを行いました

一昨年、アンサーバックのコーディング(キーの開閉でハザードを点灯させる)を行ったのはよかったのですが、コーディングしたGM5(ZKEやセントラルロックシステム等とも呼ばれています。)にアンサーバックのエラーログが残ったままでエラーは消す事が出来ません。エラーログが残っても特に悪影響はありませんがE46現行の頃はDラー等の診断機で診断してもらうとちょっと言われたりした時代があったのででエラーログは出来れば残したくないというのが本音。
エラーログを表示しないようにする方法としては、BMW純正のセキュリティーシステムの配線をするしかなく、当時販売されていたセキュリティーシステムのレトロフィットキットも既に販売されていませんので配線を1から作るのはかなり大変です。もしレトロフィットキットがあってもE46純正セキュリティシステムの配線を行うのはかなり大変だったりします。(ボンネツト開閉、車の水平位置判別センサー、アラーム等のセンサー用配線をすべて行う必要がある)海外にはレトロフィットキットが入手出来ないため、1からすべての配線+ハーネスを作った人もいましたけど、本人曰く相当大変だったみたいです。(詳細はこちら。)

また私の車は新車購入から23年、25万キロの間、一度もGM5はトラブルを起こした事はありませんが、GM5の内部のリレーがドアロックの開閉のたびに動作するのでリレーが壊れてドア開閉が出来なくなるのは有名なトラブルなのでいつ故障しても不思議ではありません。
リレーが故障の場合のリペアの選択肢として、「基板実装のリレーを交換する」、「GM5モジュール丸ごと交換する」しかありません。ヤフオクなどにもGM5用の悪名高きTyco製のリレーが販売されているのでDIYで交換した人もおられるかと思います。

そこで半年程前から「交換用のリレー」かE46に取り付けられる「最終バージョンのGM5」を入手しようと色々と物色していたところ、部品番号で検索したらヤフーオークションでX3(E83)から取り外したE46で使用できる最終版のGM5を1万円しないぐらいで発見したので落札しました。

ヤフーオークションで入手したGM5

ヤフーオークションで入手したGM5本体には謎のコメントが数か所書かれていました。(イ左??笑)

BMWのパーツ番号61353454607

上記がBMWのパーツ番号「61353454607」で、E46全車種に使用出来ます。ETKで年式を見ると2009年以降のGM5最終バージョンという事になります。Dラー等でBMW純正パーツで交換した場合、この型番のブランク(未コーディング)のGM5を購入して再コーディングする事になります。

GM5の基盤の状態

内部の基盤を確認したところかなり綺麗でな状態でした。基盤表面は透明なコーティング剤でコーティングされているのでサビ等も一切ありません。

購入したGM5のリレーはNEC製でした

また幸いにも基盤に実装されているリレーはすべてNEC製(超ラッキー!)基盤中央よりの2つが鍵の開閉時に稼働しこのリレーがTyco製の物だと結構高確率で壊れるという話です。多分E46に実装されているGM5はすべてSEIMENSE製かTyco製のどちらかと思います。SEIMENSE製は本当に初期モデルのみに使われたとの事なのでほとんどががTyco製のリレーが使われているかと思います。多分故障が多いのである時期から上記のNEC製のリレーがパーツとして採用されたんだと思います。

GM5を交換するにあたり懸念事項

実はネット上でGM5をユニットごと交換した人の情報がほとんど見つかりませんでした。交換しようとしている人が海外フォーラム上に質問したり、新品のGM5にDIYで交換しようとしている人などもいましたが、GM5を交換して成功した情報がほとんどありませんでした。
色々な海外フォーラムを見て回った中での一番の懸念事項がGM5のコーディングをNCS-Expretで行うと「書き込みエラーが出てコーディング出来ない」というポスト内容を複数見かけました。フォーラムに書かれている内容を読み漁ったのですが、残念ながらGM5をNCS-Expretでコーティング出来ない原因は特定できておらず、解決策としてDラーのプログラム更新システムSSSかISTA-Pでモジュール更新を行う事をすすめている書き込みを多く見かけました。

後先考えずにGM5モジュールも入手してしまったので、

  1. 既存のGM5からコーディングデータを読込(NCS-Expert)
  2. 既存のGM5からGM5のEPROMの吸い上げ(BMW Scanner)
  3. 既存のGM5からADFGナンバーを入手(BMW Scannerで表示される)
  4. GM5本体の交換

という流れで作業に入りました。EPROMはの吸い上げはGM5のバージョン互換がないので作業的に必要ありませんが一応念の為行いました。

まずはバッテリーからマイナス端子を外した後、グローブボックスの5本のネジを外してグローブボックスを取り外します。
 GM5が配置されているグローブボックスの奥

 
GM5は右ハンドル、左ハンドル関係なく助手席のグローブボックスを外した奥にあります。私の車はこの辺りの配線がカオス状態なので(苦笑)ノーマルの人はもう少しすっきりしているかと思います。

GM5が収まっているトレイを外す


GM5が設置されているトレイをずらさないとGM5本体が抜け出せませんので、上記の赤矢印部分のナットを外してトレイの上側左右のフックを外してGM5を取り外します。

取り外したGM5。ラベルが古い

取り外しました。ラベル印字がヤフオクで入手したものと大きく異なります。ハードウェアレビィジョンは1.1、ソフトウェアバージョンは1.4、1999年の車なのでかなり初期のGM5となります。

IMG_8997.jpg


GM5ユニット本体を並べてみましたが、本体のケース、3つあるGM5本体のハーネス形状に違いはありませんでした。

ヤフオクで入手した新しいGM5を車両本体に接続後、バッテリーを元に戻してまずはBMW ScannerでADFGを書き直しました。

pasoft-zke.jpg


上記は新しいGM5にBMW Scannerで接続した直後の状態です。上記の右上の赤矢印の部分がADFGとなります。下4桁が車両番号の末尾になっていて、16進数(HEX)の「CC」の部分はチェックサムか何かでしょうか?ADFGの番号構成は色々と調べてみましたが不明のままです。
「Reprogramming」からADFGを入力してBMW ScannerではADFGのみ書き換えを行い、一度キーをオフ。

続いてNCS-Expertで新しGM5のデータを吸い上げ、NCS Dummyを2つ起動して、これまで使用していたGM5の設定を新しいGM5へ1つづつ確認しながら設定を行いました。どちらもFSW_PSW.TRCコーディングです。NCS Dummy上でこれまで使用していたGM5はGM5.C0で識別され、新しいGM5はGM5.C6として判別されました。

NCSDummyではGM5.C6で認識された

NCS Dummyで作成したFSW_PSW.MANファイルをNSC-Expertで書き込みんでみましたが懸念事項であったエラーなどは一切発生せず、コーディングデータの書き込みがすんなりと行えました。(多分10数回書き込みを行いましたが一度もエラーはありませんでした。BMW ScannerによるADFGの書き込みが必要だったのか正直わかりません。)

新しいGM5は設定できるパラメーターも増えていたり、同じパラメーターなのに反対の動作をするなどいくつもトラップがありましたが、10数回色々とNCS Dummyで設定する事で、取り合えず窓の開閉、クーペのフレームレスの窓に合わせたパワーウィンドウの動作、ワイパー動作など正常に動く事を確認後、こちらで作成した電波キーを再度、こちらに記載している内容で再登録。

問題なく新しいGM5で一通りの動作確認を行うことが出来ました。GM5のコーディングを繰り返す中で「GM5が正常に動作しているか?」を確認した方法は「パワーウィンドウ開閉スイッチで4つの窓が開閉できるか」でした。E83X3用の古いコーディングデータが残っているので、接続直後は助手席のマドの開閉以外動作せず、リアの左右のベントウィンドウ、運転席のウィンドウは全く開閉出来ませんでした。

今回のGM5のコーディングで一番はまったのはE46クーペの窓はフレームレスなのでドアを開けた瞬間に少し窓が下がる仕組みになっているのですが、この部分のコーディング内容が古いGM5のパラメーターと同じで内容なのに反転した点でした。同じ設定をしたらドアの開けても窓が全く下がらず、よくよくNCS Dummyに表示されているコメント説明を読んでみると内容が逆になっている事に気付いたのでDisableにする事で無事クーペフレームレス窓に対応する事が出来ました。

また一番の懸念事項であったアンサーバックでエラーが残る点についてですが、古いGM5と同じコーディングを行ったら、残念ながらやはり同じエラー内容が表示されました。

gm5-error01.jpg


GM5のDWA関連の新しいパラメーターをいくつか設定してみた所、ハザードによるアンサーバックのみで、

gm5-error02.jpg

無事、エラー無く動作させる事が出来ました。純正のセキュリティシステムの配線だけ行えばエラーは消せたかもしれませんが、最終バージョンのGM5を使うことで無事エラーを回避する事が出来ました。

23年間、25万キロ共に走ったGM5

23年間、25万キロ共に走ったGM5、お疲れ様でした。

ちなみに、取り外した古いGM5の内部のリレーは

古いGM5のリレーはSIEMENS製

何と貴重なSIEMENS製リレーのGM5でした。SIEMENS製ならば23年持つって事ですかね?

以上、「BMW E46のGM5(ゼネラルモージュル:ZKE)のバージョンアップを行いました」でした。

 

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