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E36/E46のクラッチパーツ番号を比較してみた

E36/E46のクラッチパーツ番号を比較してみた

ノーマル状態で乗り続けるならば特に気にする人はいないと思いますが、海外などのフォースインダクション系のフォーラムでは必ずと言っていいほど話題に上っているのが過給機をつけたときのクラッチの流用の話です。日本国内の場合オートマチックトランスミッションが主流なので、マニュアルトランスミッションの情報は限りなく少なく、日本国産でBMW用のクラッチパーツを作っているところは老舗の数社に限られるため、かなり限定されてしまうのが現状かと思います。幸いにもBMWの場合、Mシリーズがあるのでアフターマーケットのパーツではなく純正パーツでのクラッチ強化が可能だったります。

ZF社の「S5D 320Z」5速マニュアルトランスミッション

先日、マニュアルトランスミッションのオーバーホール時にクラッチパーツ一式を交換した際、自分の車が装備しているZF社の「S5D 320Z」5速マニュアルトランスミッションに関する情報を調べてみました。

関連記事:

ZFミッションオーバーホール&クラッチ交換(BMW E46)

まずは、ZF社の「S5D 320Z」5速マニュアルトランスミッションを装備しているBMW車両は

E36:323i、328i、M3、M3(S52/3.2L)、Z3 2.8、Z3 3.0i、Z3M(S50/3.0L)、Z3M(S52/3.2L) Z3M(S54/3.2L)

E38:728i
E39:523i 525i 528i 530i
E46:328Ci 328i 330Ci 330i
となります。上記の車両でもM3(S52/3.2L)、E39/530i、E46/330i/330Ciなどは初期モデルのみ5速マニュアルトランスミッションが装備されていたようです。

以下に具体的にミッション内部、クラッチ機構を構成するパーツの比較一覧です。

BMW E36/E46クラッチ機構を構成するパーツの比較一覧

車両別に構成するパーツ番号を列挙し、どの部分が共通パーツか調べてみたところ色々と意外な事がわかりました。

まず初めに自分の車と同じエンジン2.8Lに対するクラッチパーツはすべて共通でした。車両で言うとE46、E39、E38、E36Z3で、M52TUB28エンジンに合わせたクラッチ板(クラッチディスク)、プレッシャープレート(クラッチカバー)、および装備するクラッチ板、プレッシャープレート合わせたレリーズベアリングおよびダブルマスフライホイールとなります。そもそもが2.8リッターエンジンとしては非力で193馬力しかありませんので、車重、ボディサイズに対して、街乗り重視な乗りやすい仕様になっているかと思われます。

また色々調べてみたのですがプレッシャープレートのみ単体のパーツ番号は掲載が無く(一覧には不明と記載)「プレッシャープレートを交換する際はクラッチ板も絶対交換する」という前提になっているようです。(クラッチ板のみの交換はあるかもしれませんが、プレッシャープレートだけ交換するなんて事はないですね。)なので、一般的に言われるクラッチ3点セット(クラッチ板、プレッシャープレート、レリーズベアリング)一式で交換となります。

上記一覧の4種類の車両はZF社の「S5D 320Z」5速マニュアルトランスミッションを装備しているのですが、M3C(S52/3.2L)車両は初期のみで、ほぼ6速の「S6S 420G」形式のマニュアルトランスミッションが装備されているので一覧の中にあるミッション本体側に取り付けるガイドパイプのパーツ番号が異なります。

ガイドパイプ(23111224845)

ちなみにガイドパイプは、

トランスミッションのガイドパイプの場所

トランスミッション本体の上記の部分についています。

E36 Z3 S54 roadstar5速ミッションとE36M3Cの5速・6速ミッションは異なるエンジン形式ですが、共にエンジンの出力が321馬力なので同一のクラッチ板、プレッシャープレートが使用されています。3.0LのM3Bだけパワーが40馬力(286馬力)程低いのでクラッチ板以外のプレッシャープレートのみ異なるパーツ番号になっていました。

レリーズレバー(21511223302)

また何故かレリーズレバーのパーツ番号がM3Bだけ異なります。比較写真は

レリーズレバーの比較写真

上記しかありませんが形状が若干異なります。写真上がP/N:21511223302、下がM3Bで指定されているP/N:21511204229です。(何故かM3B用のレリーズレバーは、E90/92M3、E60M5、E63M6で流用されています。)

某長野のBMWミッションの巨匠のお話では、M3B5速とM3C6速の純正クラッチフィールの違いとしてはM3C6速のプレッシャープレートは「クラッチの切れがとても悪くなる」との事でした。また、クラッチ板&ダブルマスフライホイールに関してはE36 Z3 S54 roadstar、E36M3B、E36M3C共に共通でした。これらの情報を元に考えるとこの3台に関してはBMWはM3Bベースで240mmのクラッチ板とダブルマスフライホイールをパーツを共通化してプレッシャープレートのみで調整したという感じでしょうか?そう考えると巨匠の「切れが悪い」といういうお言葉も何となくわかる気がします。
M車両ではないE46を5速マニュアルトランスミッション化してパワーを上げるような事をする人は日本国内ではほとんど居ないと思うので参考になる人は殆どいないと思いますが、M3B乗りの方には少しは参考になるかな?ZF社の「S5D 320Z」5速マニュアルトランスミッションならば純正パーツ流用で強化が可能です。

以上、「E36/E46のクラッチパーツ番号を比較してみた」でした。

 

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