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BMW M52TUB、M54Bエンジンのディストリビューションピース

BMW M52TUB、M54Bエンジンのディストリビューションピース

スーパーチャージャー装備後、色々と実験やら調整やらを繰り返してきていますが、今更ながらインテークマニホールドの上に付いているディストリビューションピースについて確認してみることにしました。

スーパーチャージャーを装備してからHKS製のスーパーチャージャーマニュアルに基づいてディストリビューションピースを機能しないようにしてきましたが、2017年にこちらの記事のようにディストリビューションピースを復活させてブローバイガスをディストリビューションピース経由で吸わせてアイドリングを安定させる事に成功。

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PCVバルブホースとディストリビューションピースのリターンホース

上記がディストリビューションピースに元々付いているリターンホース(下)とPCVバルブを使って作成したブローバイを戻すホース(上)です。

このホースを接続することでインテークマニホールドが負圧になると常に一定量の空気が入るのでアイドリングを安定させる効果につながりましたが、デメリットとしてはブローバイガスのオイルミスト成分でこのホース内部がベタベタになってしまう事。

これは過給機なしのノーマル車両でも同じようにこのホースの部分と、

ディストリビューションピース

このディストリビューションピースの内部がオイルまみれになる事は避けられないのですが、エンジン内部にオイル成分をなるべく入れたくないので、このディストリビューションピースを以前のHKS仕様(リターンラインのホースを外してキャップで塞ぐ)に戻してテストしてみることにしました。

HKS BMW E46スーパーチャージャーキットのマニュアル

上記は激レアなHKS BMW E46スーパーチャージャーキットのマニュアルの一部。ディストリビューションピースをゴムキャップ15mmと22mmで塞ぐと指定されています。

ディストリビューションピースをゴムキャップで塞いだ状態

HKSのマニュアル通りにすると上記のようになります。

インテークマニホールドに装備した状態

インテークマニホールドに装備するとこんな感じ。この状態で走行すると、アイドリング制御を再設定してもどうしても吸気量が間に合わずアイドリングが安定しません。

再度取り外したディストリビューションピース

再び取り外してディストリビューションピースを調べてみたのですが、このディストリビューションピースの目的はブローバイガスを各シリンダに均等に吸わせる事が目的だと考えていましたが、よくよく考えてみるとアイドリング中の負圧が強い時は、ブローバイガスのオイルセパレーター内部のダイアフラムはほぼ閉じられた状態になっているので、このディストリビューションピース内部はオイルセパレーターから切り離されて、内部は完全に負圧。そしてエンジン内部の各シリンダーの動きに合わせてディストリビューションピース内部を空気が移動して、インテークマニホールド内部の各シリンダの圧力制御の役割も兼ね備えている事になります。

そうするとこのHKSのマニュアルのようにディストリビューションピースのリターンラインを外してキャップをしてしまうのはシリンダーの動きに合わせた空気の移動がしにくくなってしまいます。

ディストリビューションピースにポンプで圧力をかける

ディストリビューションピースにリターンラインを接続して、リターンラインとブローバイガスオイルセパレーターにつながる部分にキャップをし、6つの穴のうち5つを塞いで空気ポンプで圧力をかけて空気の流れを確認してみました。

リターンラインは、エンジンの爆発順1→5→3→6→2→4の吸気工程の時に他のシリンダーからの空気を流し込むためこのリターンホースが無い状態では空気の流れが不安定となり、アイドリングの不安定につながる原因となると考えられます。

今回、加圧テストをしてみたところ、ディストリビューションピース内部が汚れているようで詰まり気味な部分があることを発見。パーツクリーナーを吹きかけて内部にたまったオイル成分や汚れが出なくなるまで繰り返し洗浄しました。

ディストリビューションピースを交換する事はあまり聞いた事がありませんが、エンジンが高負荷(高速回転)している場合は、常にブローバイガスを吸いこみ、吸気工程にあるシリンダーにブローバイガスを吸い込ませているので内部はかなり汚れやすくなります。M52TUB、M54Bエンジンで原因不明のアイドリングトラブルに遭遇した場合、簡単な対策としてディストリビューションピースを洗浄してみるのは1つありかもしれません。

リターンラインを接続した状態のディストリビューションピースをインテークマニホールドに装備してアイドリング調整を行ってみたところ、HKSのマニュアルに指定されていたキャップで塞いだ状態よりもかなりアイドリングが安定しました。

ディストリビューションピース内部の汚れが原因だったのかもしれませんが、HKSさんはディストリビューションピースの役割を間違っていたようです。

リターンホースを1本を外してしまうと、ディストリビューションピース内部の圧力バランスが崩れ、吸気工程のシリンダーに本来流れているべきインテークマニホールド内部の空気がうまく流れなくなりアイドリングに影響していたのは間違いないようです。

その他のスーパーチャージャーキットのリターンラインはどうなっている?

一応手持ちのスーパーチャージャーキットマニュアルのリターンラインを調べてみました。

active autoのスーパーチャージャーマニュアル

上記はactive autoのスーパーチャージャーキット、E46 330用の低加給スーパーチャージャーキット(インタークーラー無しの簡易キットが存在します。)のディストリビューションピースのリターンラインホース部分です。

ASA製スーパーチャージャーキットマニュアル

上記は、ASA製スーパーチャージャーを用いたキットのディストリビューションピースのリターンホース部分。

どちらも共にリターンラインはそのまま残し、HKSのマニュアルのようにディストリビューションピースの動作を妨げないような仕様になっていました。

 

テストでなかなか良い状態になっているので、引き続きディストリビューションピースにリターンラインを接続した状態でテストしてみようと思います。

以上、「BMW M52TUB、M54Bエンジンのディストリビューションピース」でした。

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