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3Dプリンターでブローバイオイルセパレーターを作ってみた

3Dプリンターでブローバイオイルセパレーターを作ってみた

3Dプリンターを導入して一番作りたかったブローバイガスのオイルセパレーターを作成してみました。話すと長くなるんですが7〜8年前から「オイルキャッチタンクを3Dプリンターで作ってみたい」と思いつつ、3Dプリンターの対する色々なハードルがあって着手できずにいました。
今回購入した3Dプリンターはナイロンカーボン素材の出力が出来るので、ナイロン12カーボンファイバー(CF)フィラメントを使用して作成。

ナイロン6ではなくやはり実用面を考えるとナイロン12一択かな?そこまでコストかけてオイルキャッチタンク作る人もいないとは思いますけどw

最終的にナイロン12フィラメントで出力する前にPLAフィラメントなどで試作、テストを繰り返して、3Dプリンターで出力出来る形状に合わせてモデリング。実際に出力してみると想定と異なる結果になったり、色々勉強になりました。

オイルセパレーター本体の出力直後の状態

上記はオイルセパレーター本体を出力直後の状態。現在の私の車のブローバイガスラインではオイルセパレーターとタンク別々の構成になっているので、ここで作成したオイルセパレーターを3Dプリンターで出力出来るようにモデリングして、結果的に上記のようにスクエア型となりました。円柱型で何度もトライしてんですけど、どうにも内部のバッフル板をうまく出力出来ず。いくつかの部品構成に分けて出力してみたりしたんですが、どうにも上手くいかないので取り敢えず処女作としてスクエア型で出力。ちなみに上記の出力には11時間程かかりました。

出力に失敗したオイルセパレーター本体

上記は失敗作。PET-Gでテスト印刷して細部の確認をしたり、印刷途中で断念したり、反りが酷くて使い物にならなかったり3Dプリンターのノウハウは実際にやってみないとわからない点が多いです。

ナイロン12カーボンファイバーフィラメントで作成したニップル

こちらがオイルセパレーターに取り付けるニップル。このニップル1つ作るにも

3Dプリンターで出力に失敗したニップル

何度失敗したことか...。強度不足で少し締め付けしただけで積層破損したり、フィラメントが糸引きしてニップルとして使えなかったり。ナイロン12CFフィラメントの出力は本当に難しいです。

出力テストを繰り返した状態

初期のモデルはで蓋付きのスクエア型を想定したので蓋を作成したのですが、ナイロン12CFフィラメントで右から順にフィラメントの出力設定を調整して最終的に左側まで綺麗に出力出来るように調整しました。一番右側は1層目がまったく定着していません。

ISANMATE社のフィラメント

今回使用したフィラメントはこちらの定評のあるISANMATE社のナイロン12CFを使用しました。メーカー指定の温度設定で出力してもまったく上手く出力出来ませんでしたが何度かテスト印刷を繰り返して、ほぼ問題のない状態で出力が出来ることを確認してから本番出力。

ナイロン12CFで最終出力したオイルセパレーター

ナイロン12CFで最終出力したオイルセパレーター

上記のように出力することができました。

ニップルにOリングを装備

ニップルのOリング部分もばっちりです。

ニップルにOリングを装備して仮組み

実際にOリングを付けた状態で仮組み。

オイルセパレーター本体

一応、問題なさそうには見えます。

オイルセパレーターのドレン口ニップル部分

オイルセパレーターのドレン口ニップル部分。19mmのソケットで締め付けても積層割れすることなく締め付けできました。ホースニップルが自在にナイロン12CF素材で作れるのは非常にいいですね。

ブローバイの出入り口部分のニップル

ブローバイの出入り口部分のニップルも一応問題なさそうです。ニップルの取り付けには、テフロン製のシールテープを使用して液体ガスケット塗って固定。ナイロン12CF素材なので耐熱、耐オイル、耐ガソリンで、見た目もそんなに悪くないですが、過去にナイロンカーボン製のインテークマニホールドアダプターで痛い目にあっているので、出力したオイルセパレーターの加圧テストを行ってみました。

 加圧テストしてみたら積層から水が滲み出てきた

内部に水を吹きかけてニップル2箇所を塞いで、3つめのニップルからポンプで圧力をかけてみたところ、ニップルのネジ部分等からは漏れはなく一見問題なさそうに見えたのですが、何度か繰り返して加圧してみたら上記の写真のように水滴が滲み出てきました。目には見えませんが積層割れしてますね。積層割れは封孔剤を使用して漏れは防げますが、残念ながら今回の物の使用は断念します。
やはりナイロン素材の出力は難しいな。ちなみにこのオイルセパレーターの厚みは2mmで充填率は80%で作成しています。出力時の調整でなんとかいけるかな?もう少し鍛錬します。

以上、「3Dプリンターでブローバイオイルセパレーターを作ってみた」でした。

 

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