iDingPower フロントストラットタワーバーの修理(BMW E46)
iDingPower フロントストラットタワーバーの修理(BMW E46)
事の発端はこの記事で後程記載しますが、今から22年前(2003年)にStuideさんが綱島で営業している頃に装備したiDingPower製のストラットタワーバーの修理を行いました。
iDingPowerのタワーバーはストラットタワーとの接続部分にピロボールが使用されています。非常によく考えられていて走行中のボディの前後ねじれに対してある程度の稼働範囲を許しつつ、ストラットタワーの垂直方向に動きに対して効果を発揮するようになっています。簡単に言うと走行中の振動によって発生するボディの捻れに対して、ある特定の動きだけ抑える効果を発揮しストラットタワーを「ガチガチに固めるのではない」ちょっと拘った作りになっています。
BMW E46現行の頃(2000年〜)Wiechersを始め比較的購入しやすい価格帯(2万円しないぐらい)で売られていて、結構な売れ筋商品だったためかARCさんなんかも下心満載wで見た目重視のカーボンを巻いたタワーバーなどを販売していましたが、iDingPower製のタワーバーはフロント・リアそれぞれ6万円と当時の売れ筋のタワーバーと比べると価格が倍以上。当時、前後のタワーバーで12万は高嶺の花でしたw
そんなiDingPowerのタワーバーですが22年間も経過すると肝心のピロボールをマウントする受け側が変形しピロボールにガタ発生。ピロボール自身はネジで押さえつけられてボディ側に固定されるわけですが、長い間ボディからの振動を受け変形してしまったようです。指でピロボールを動かすと結構なクリアランスができていました。車のピロボールやブッシュなどは消耗品なので「交換前提」なので仕方ないですね。
通常サスペンションなどではピロボールは交換出来るような使用になっているので「打ち直しすれば治るのか?」なんて思っていたんですが、iDingPowerのタワーバーを外して分解してピロボール部分をよく見てみると型番が書かれていたので、ネットで検索してみたところ汎用品である事が判明。IKO(日本トムソン)のPOS 12EC(普通ネジ)とPOS 12ECL(逆ネジ)、12mmネジの無給油式ピロボールが使われていました。
上記のが今回調達したピロボールです。
上記はピロボール新旧比較。表面のメッキの色が異なりますが同製品です。購入したものはユニクロメッキかな?
iDingPowerのタワーバーを構成するパーツですが固定するボルト&ロックナットも新調しました。ボルトのサイズで鉄ネジを探してみたんですが、すぐに見つかったステンレス製のボルト&ナットにしました。ピロボール本体は多分ステンレスなので金属同士の電解腐食は発生しないのかな?
使用しているワッシャーはタワーバー本体のネジれ稼働範囲を制御するワッシャーが4枚、タワーバーを固定するために使用するワッシャー4枚の構成で、これらのワッシャーはサンポールで洗浄後、CRC5-56に漬けて防錆処理をおこないました。
CRCでの防錆は分解時には毎回防錆処理しないと駄目かもしれませんが、素のままよりはマシでしょう。サンポールで錫メッキによる電解メッキしてもよかったんですが、これらのワッシャーは擦れる前提なのでメッキしてもすぐに剥がれてしまうと思い電解メッキ処理はやめました。最近、住宅建材のDIYメッキを頻繁にしているので、このぐらいの部品サイズだったら簡単なんですけどねw
ピロボールの調達はモノタロウさんから行いました。逆ネジのピロボールが「在庫あり」表示だったのですが、結局納期に2週間以上かかりました。こんなマイナーなピロボールはほぼ売れる事がないので、いきなり在庫がなくなる事はまずないので、もう少し在庫管理をしっかりとして欲しいです。(在庫がなくなったと言えば済むと思っているのかもしれないけど、立派な景品表示方違反だ。)
iDingPowerのタワーバー本体とストラット部分のマウントはアルミ鋳物だと思われます。Wiechersなどと比較すると軽量ではなく、結構な重量・強度があります。
で、記事のはじめで述べた今回やりたかった事は上記の写真の左右のストラット部分の通電。
上記左右のネジ部分の電位がゼロ(メーターだと.001ですが通電しています)になるようにタワーバーの裏側に「寺岡製作所 導電性アルミ箔粘着テープ」を貼って左右のボルトの電位差がなくなるようにしました。前提として元々(ピロボールを交換する前)は非通電状態でした。アルミ鋳物表面は何かコーティング被膜があるためか通電していません。
iDingPower製のストラットタワーバーは見た目が素の金属なので通電しているように見えていたのですが、テスターを当ててみたところまったく通電していませんでした。
このタワーバーの左右で電位差が発生しなくなるようにする目的は、アルミテープチューン云々ではなく走行振動で常に摩擦が発生する部分のため左右の電位差が無いように帯電対策を行うことで左右の動きに差が出ないように今回タワーバーのメンテナンスを兼ねて対策してみました。通電確認が出来る検電器やテスターなどを持っている人でタワーバー装備してたら一度確認してみるとよいかと思います。
左右のピロボール固定用ナットを固定後、ナットに電位が伝わるよにタワーバー本体裏側に導電性アルミ箔粘着テープを貼り、一応ナット部分にはダイソーのシリコンバンドを巻いておきました。
シリコンバンドは一応アルミテープが剥がれない対策も兼ねています。
タワーバーも復活したので3週間ぶりぐらいのテスト走行してきました。今回の対策による効果なのかピロボール交換による影響なのかはっきりわかりませんが、対策前との大きな違いは高速道路のバンプを超えた後のタイヤが路面に再接地するときの収まり具合が極端にかわりました。跳ねた後、以前より路面にへばり付く感じが増し、明らかに路面のギャップに対して乗りやすくなりました。長年(24年以上かな?)繰り返し走っているホームコースでここまで違いがわかるのは久しぶりでかな?とても気に入りました。
以上、「iDingPower フロントストラットタワーバーの修理(BMW E46)」でした。