BMW E46の鍵の追加方法
BMW E46の鍵の追加方法
25年前の新車購入時についてきた鍵は4本あります。海外は知りませんが日本国内で新車購入したら4本付いてきます。
上記の写真は右から4本が車を購入したときに付いてきた鍵です。一番左にある鍵はこちらの記事でE46前期の赤外線式の鍵を電波式に変更したときに調達した鍵です。
右側2本(小さな黒とグレー)は使用に制限があり一番右の鍵はグローブボックスが開かない鍵だったと思います。(その辺りの詳細はマニュアルに記載があります。)ホテルなどに車を預けるときに使用する鍵との事。
これらの鍵にはすべてトランスポンダーチップが埋め込まれていてエンジン始動時にキーシリンダー周辺にあるループアンテナと通じて通信を行い、鍵の登録情報を管理するEWSモジュールで判別され、EWSに登録されている鍵ならばエンジンのクランキングが可能となります。なので鍵だけ削ってコピーしてもエンジンはかからないというのがイモビライザーの基本的な仕組み。ちなみにE46を購入して鍵が1本しか付いてこなかった場合は十中八九、残り3本の鍵の情報がEWSに登録されています。一応この世に他に3本、車を動かせる鍵が実在した(している)という事になりますね。
鍵の識別情報を管理するEWSは最大で10本までの鍵の登録が行えます。通常利用では10本も必要ないですけど。ちなみに逆に登録内容を1本だけにする事もできます。
今回このブログではEWSへ鍵の登録方法の紹介します。セキュリティ面が関係するので全体的に詳細な内容は割愛しますが、E46で鍵の登録・削除の方法というか道筋がわかるかと思います。ちなみに日本国内でも先駆者の方々が鍵の登録を行っているので今更って感じもしますけどねw
まずはEWS本体。運転席下、ライトユニットの奥付近にいます。上記はかなり前にヤフオクで入手したEWS。設定方法を調べるために購入したものです。
EWSには2、3、4系があってE36だとEWS2だったかな?E46はすべてEWS3のはずです。年式的に近いX5などにEWS4が使われていたと思います。車からの脱着方法はそんなに難しくありませんが、EWSは常時通電ユニットなので事前にバッテリーだけは外した方がよいでしょう。
EWSの読み書きするには内部の基盤を取り外す必要があります。ケースの構造を見ると誰でも簡単に基盤は取り外せるかと思います。腐食防止のためか基板に実装されているパーツ含め全体が絶縁コーティングされています。
EWSを編集するツールとして有名なのが上記のAK90+。元々中華製品なのでアリエキスプレスなどで検索すると沢山出てくると思います。EWS3の場合上記の白いチッププローブをEWSの基板上のチップに押し当ててデータを読み書きします。なので先にも説明した基板にされているコーティング剤をチップの足からカッターなどで削り落とす必要があります。(神経質な人にはハードル高いかも)EWS4の場合は別売のモジュールを使用するかEWS4の基盤に配線を直接ハンダ付けして使う必要があります。(EWS4用のケーブルも付属)
AK90+は有名なので検索すると使い方詳細を解説する動画などもあるかと思います。
上記がチッププローブをつける向きです。チッププローブに自分で矢印書きましたが、チップ本体に丸いマークがあるのでその位置に合わせてプローブを押し当てます。先にも説明した絶縁コーティング剤をしっかり削り落とさないと接触不良となりEWS3の情報を読み込む事が出来ません。一部のYoutube動画では結構ラフに鍵で擦って絶縁コーティング剤を削り落としていましたが、チップ本体の物理的破損してしまっては元も子もありません。1ピンづつ丁寧にコーティング剤を削り、チップの足をルーペ等で念入りに確認して接触不良がないようにする必要があります。
その他ネット上で見かけた情報ですが、元々がWindowsXP時代のツールのため、現在のWindows10/11でも動作はしますがドライバーソフトの問題で読み書き出来ない症状が発生する事があるとの事です。物理的なプローブ接触不良なのか、ソフトウェア的な問題で読み書きが出来ないのか判断が難しいような気もしますが、基本的にはドライバーソフトウェアが正常にインストールされていればAK90+をUSB接続した際に接続プロセスが発生しAK90+と接続状態を確認出来るのでEWS3の情報が読めない場合は十中八九プローブの接触不良と考えてよいでしょう。当方も少しプローブを押さえつけないと読み込みエラーとなりました。慣れというかコツが必要です。
続いてこちらがEWS Editor Lite。こちらは今となっては少しレアかな?アリエキスプレスで入手しました。鍵内部のトランスポンダーチップをBMWのロゴの部分に置いて読み書きします。EWS3へのアクセス専用となりますのでE46の場合はこれの方がいいかな?AK90+と比較するとプローブの接触不良等を気にせず使用することが出来ます。
上記の用にEWS3のコネクターにピン番号を合わせてハーネスを接続して、
上記の基板の裏面のハンダ1箇所にプローブを当てて読み書きすることが出来ます。基板の裏面も絶縁コーティング剤が塗られているのでプローブを当てる箇所は絶縁を少しだけ剥がす必要があります。EWS Editor LiteもソフトウェアがWindowsXP時代の物なのでWindows10/11との互換が問題となります。一番の問題は64bitOSが一般になった昨今、32bitのWindowsXPベースのソフトが正常に動作させる事がもっとも大変な事ですかね?こちらの記事に書いたPA SoftウェアのBMW ScannerはドライバーのインストールにWindowsのスキルが一般レベルではありません。E46は世代的にWindowsXP時代なので当時のWindowsベースのソフトウェアで動作するツールが多数ありますが、現在のWindows環境で正常に動作させるためには結構な知識がないと扱うのが難しいかと思います。
実際、当方も過去に使用していたWindowsXPパソコンでEWS Editor Liteを動作させています。一部の掲示板で拾った情報ではWindows10ではドライバー問題は解決出来ても正常に動作しないとの情報があったのでEWS Editor LiteはWindowsXPパソコンで使用しています。EWS Editor Liteもまだ入手出来るかと思いますが、こちらの動作不良として書かれていた中に付属のUSBケーブルがダメだったという内容がありました。もしこの手のツールを使用する場合はしっかりとしたUSBケーブルを用意した方がよいかと思います。AK90+、EWS Editor Lite共に市販のUSB-A to USB-Bケーブルでパソコンと接続します。
AK90+ vs EWS Editor Lite
AK90+とEWS Editor Lite、どちらがお勧めか?っと言うと、どちらも一長一短があります。EWSの内容を詳細に知りたい場合はEWS Editor Lite一択となりますが、鍵の追加・削除・ロックだけを行う場合はAK90+で十分です。ただしAK90はチッププローブを取り付けるのが素人にはハードルがちょっと高いと思います。扱いやすさで言うとEWS Editor Liteの方が簡単かな?現在のWindows10/11上で正常に動作するならばEWS Editor Liteの方が良いかと思いますが、当方はEWS Editor LiteはWindows10/11での動作確認はしておりません。
その他、多くのE46乗りの方が知りたいイモビライザー関連事項を私なりに以下に列挙しみます。
- 鍵内部のトランスポンダーチップのコピー(複製)はどちらでも出来ない。
- EWSに登録済みの鍵情報の削除、鍵の使用停止はどちらでも可。
- EWSへ新しい鍵を登録する場合、読み込んだEWS情報から鍵へのデータの書き込みを行い、更にその鍵の情報をEWSへの書き込みが必要。
- わかる人向けの情報としてパスワードとISNはEWS Editor Liteでは拾える。ISNに関しては多分拾えると思う。
思いつく事としは上記ぐらいかな?また何か思い出したら追記したいと思います。
ちなみにEWSへ鍵の登録等を行った場合、毎回車両に戻してトランスポンダーチップが正常に動作するかを確認するのが面倒な場合は、EWS3/4用の動作確認ツールを使用すると簡単に動作確認する事が出来ます。
上記がEWS3/4用の動作確認ツールです。12VのACアダプタは自前で用意。(中ピン+12の汎用のACアダプタでOK)ちなみに動作確認ツールはアリエキスプレスで入手しました。
上記のように接続して、白い部分の中央にトランスポンダーチップを近づけるとEWS3の動作確認が出来ます。
上記は実際にAK90+を使用してトランスポンダーチップへ新規鍵を登録してEWSが動作するか確認した動画です。トランスポンダーチップを近づけるとLED1(黄色)が点灯しEWS3上のリレーの動作音が確認出来るかと思います。
EWS3/4用の動作確認ツールがあると書き込み後の確認が簡単に行えるので1つあると便利です。っといってもそこまで頻繁に鍵情報の書き換えは行いませんねw
以上、「BMW E46の鍵の追加方法」でした。