トランク、車内がガソリン臭い?!埃っぽい原因究明(BMW E46、E38、E53)
トランク、車内がガソリン臭い?!埃っぽい原因究明(BMW E46、E38、E53)
先日、緊急事態宣言が解除され2年ぶりに富士山2合目付近にある新屋山神社奥宮へ行ってきました。富士山の麓から峠道を登り奥宮に到着後、車のトランクを開けて荷物を取ろうとしたら、ちょっとガソリン臭い匂いを強めに感じました。周辺をクンクン匂いを嗅いで(笑)みたのですが、タイヤの焼けた匂い以外に特にガソリン臭は気にならなかったのですが、あきらかにトランク内部のガソリン臭がこもった感じ...。
このブログでも結構アクセスの多いこちらのブログで紹介したチャコールキャニスターに溜まりすぎた気化したガソリン成分が大気開放されてガソリン臭がチャコールキャニスター周辺から匂うのは仕方ないのですが、何故かトランク内部に匂いがこもった感じがしたのでトランク内部の状態を調べてみることにしました。
臭いの原因の元であろうチャコールキャニスターは右後ろ、トランク下あたりについているのでその付近からまずは調査。
バッテリー付近をよく見てみるとトランク内部にある上記の写真のダクト?、正式名称ブリーザーカバーが何やら様子がおかしい?!事に気が付き、とりあえずこの周辺をバラしてみることにしました。
バッテリーを外して、
バッテリーフォルダーを外して、
ブリーザーカバーを外してみたらご覧の通り。
本体には3つのゴム製のフラップがあるのですが、加水分解してボロボロになっています。
手で触るだけで簡単に崩れ落ちるぐらい加水分解しており、原形がどんなだかわからない状態。(苦笑)
ゴムのフラップが加水分解してべとべと状態で、指に引っ付きます。
このブリーザーカバーですが本来ゴムのフラップがすべて閉じていて、トランクを締めたとき、トランク内部の圧力を逃がすためにゴムフラップが開くような仕組みになっています。この部分が常に開放状態だと外部からの空気がトランクにそのまま流れこんでしまいますので、トランク下にあるチャコールキャニスターから大気開放されたガソリン成分がトランク内部に回り込んでトランクを開けたときにガソリン臭がしたんだと推測しました。
丁度、富士山に行くときにガソリン満タンにして、気温も高かったので、チャコールキャニスターはひたひたになり、通常よりもガソリン臭を強く感じたんだと思われます。
ブリーザーカバーの加水分解したフラップの残骸部分。べたべたです。
カッターで切り落として、
隙間に埋まっている加水分解したゴムフラップも掘り出しました。
しかしこのような部分に加水分解してしまうようなゴム部品を使いますかね?ゴム製品だと経年劣化は避けられないので仕方ないのかな?
一応、パーツクリーナーで加水分解したゴムを洗い流して、ほぼゴムフラップを撤去完了。
撤去したゴムフラップを上記のエラストマーシートを使用して作成しました。
関連リンク:
エラストマーシート(オレフィン系樹脂) 厚み1.0×幅200×長さ300㎜
エラストマーシートは少し硬度のあるゴムっぽい感じですが、実はゴム板っぽく見えますが素材は樹脂です。耐ガソリンでもあるのでこの部分のフラップ素材には丁度良いかと思います。(実際、経過を見てみないとなんとも言えませんけどね。。。)
エラストマーシートをフラップサイズ175mm x 35mmに3枚切り出しました。1mm厚なのでカッターで綺麗に切れます。
ゴムフラップの残骸が埋まっていた部分に液体ガスケットを塗って、その上に切り出したエラストマーシートを配置して、マスキングテープで位置を固定して、更に液体ガスケットを塗ってブリーザーカバーとエラストマーシートで作成したゴムフラップの隙間のガスケットをならしてからマスキングテープを剥がして固定しました。
関連リンク:
隙間に塗った液体ガスケットとエラストマーシートで作成したゴムフラップを先に張り付けて、液体ガスケット硬化後にマスキングテープを張って作業をした方が確実かと思います。
ETKでブリーザーカバーの部品番号64228377280(図の3番)で検索してみると、E46、E38、E53で同じパーツが使用されていました。
もし走行後、トランク内部がガソリン臭い(特に暑い日など)場合やトランク内部が砂埃っぽいようでしたら、ブリーザーカバーのフラップが加水分解していないか調べてみることをお勧めします。
ちなみにブリーザーカバーをパーツ検索してみたところ2個使用されている事が判明。左側にもあるらしいので探してみました。
左側にもいました。(笑)
ブリーザーカバーのフラップがほとんど見えません。(苦笑)
ブリーザーカバーを外してみるとフラップは上記の写真の状態になっていました。これは酷い。
日頃、トランク内部のカバーに覆われているのでフラップの状態など気にした事などこれまで一度もなく、ましてやフラップがこの部分にあってトランク内部の圧力を抜いている事などまったく知らなかったです。
自分の車は新車購入から丸22年経過していてこの状態ですが、E46の最終モデルも15年経過しているのでブリーザーカバーのゴムフラップは殆どの車両で加水分解が進んでいると思いますので一度調べてみた方がよいかと思います。
こちらのブリーザーカバーも同じように加水分解したフラップの残骸を除去してみました。よく見ると、ゴムフラップを固定するパーツが埋められていたので、
掘り起こして外してみました。(割れてしまいましたが再利用しません。)
多分、ゴムフラップを抑えるような仕組みになっているんだと思います。
ゴムフラップが埋め込まれていた部分をパーツクリーナーで洗浄して、
先程と同じように液体ガスケットとエラストマーシートで作成したゴムフラップを張り付けて
マスキングテープを貼って、更にブリーザーカバーとエラストマーシートで作成したゴムフラップに液体ガスケット塗ってから液体ガスケットを慣らしてマスキングテープを剥がして液体ガスケットを乾燥させます。
左右のブリーザーカバーのゴムフラップが完成しました。エラストマーシートで作成したゴムフラップはいい感じでビラビラしています。
液体ガスケットが硬化後、マジックリンでブリーザーカバーを水洗いしました。作成したゴムフラップはしっかりと液体ガスケットで接着されているので、蛇口の水圧程度ではエラストマーシートのゴムフラップは全く問題なく開閉します。
ブリーザーカバーをトランクに戻しました。左側です。
ブリーザーカバー、右側です。
今回せっかくバッテリーを下ろして無負荷の状態にしたので、パルス充電器で充電しました。
関連リンク:メルテック 全自動パルスバッテリー充電器
この車はこれまで3~4年サイクルでバッテリー交換をしてきましたが、バッテリーのサルフェーション除去おかげで2016年から5年目の継続利用できています。
関連記事:走行しながらバッテリー復活!バッテリーサルフェーション除去
バッテリーフォルダーや周辺パーツを組み上げて完成です。
22年間で初めてブリーザーカバーの仕組みを知りましたが、これでトランク内部への外気侵入はしなくなるので、チャコールキャニスターが大気開放した気化ガソリンの匂いはこもらなくなると思います。
またしばらく様子をみてみたいと思います。
以上、「トランク、車内がガソリン臭い?!埃っぽい原因究明(BMW E46、E38、E53)」でした。