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インジェクター無効噴射時間について

インジェクター無効噴射時間

新年あけましておめでとうございます。本年も当ブログをよろしくお願いいたします。

年末年始、時間があったのでネット上でインジェクター無効噴射時間(オフセットタイム、デッドタイムと言ったりします。)について調べてみました。新年早々、いきないり「なんのこっちゃ?」なブログタイトルですが、所謂フルコンを使用した場合に必ず設定する必要があるインジェクター型番別のパラメーターです。

 

具体的なインジェクター無効噴射時間についての詳細説明についてはこちらリンク先が分かりやすく掲載されているのでご覧いただくのが早いと思いますが、大雑把に言うとインジェクター内部ソレノイド(電磁石)が完全にオンになるまでの時間の事です。インジェクターの型番ごとに無効噴射時間が異なります。厳密にいえばインジェクター1つ1つの個体差もあるのかもしれませんがMotecなどのフルコンと言われるものは基本的にはインジェクターの型番ごとに無効噴射時間が異なる前提で設定が出来るようになっています。

 

インジェクター無効噴射時間はインジェクターの電気的な特性なので計測している国内の業者さんや個人ブログ記事がネット上に沢山ありました。結構決めうちで値や他のインジェクター型番のパラメーターの流用などが結構多い印象を受けましたが、実際には電気的特性なので決め打ちで1つという数値にはなりません。

 

まあそれでエンジンが動いてしまっているので特に問題にもしていないんだと思いますが、無効噴射時間がもっとも影響するのはアイドリング時などでしょうか?アイドリング時は燃料使用量がもっとも少ない状態なので「インジェクターの噴射量を少なくする」ということは「インジェクターの通電時間を短くする」ということになりますので、通電時間に影響する無効噴射時間は無視できなくなります。

 

また連続でオン・オフ繰り返すインジェクターは完全にオフになるのにも時間がかかるわけで、それらを考慮するとインジェクターの無効噴射時間を厳密に設定していない場合はどのような状態になっているかは想定できない(不定)な状態となってしまいます。想像の範囲ですが場合によっては少し燃料が垂れぎみでも負圧によって吸い込まれ、うまいこと動いている状態になっていたりするんだと思います。実際の無効噴射時間よりも長く設定している場合は強制的に多めに噴射され(インジェクターがオンになっている時間が長くなるため)、短く設定された場合はオンタイムを長くして必要な燃料量を噴射させるといった設定になるため、エンジンのレスポンスに影響が出てくることになります。

Motec本社から提供されたインジェクターデータ

上記はMotec本社に問い合わせしたときにお送り頂いたM800用の某インジェクターの無効噴射時間設定内容です。これまで幾度となくインジェクターの交換をしてきましたが、Motec社で計測済みなインジェクターに対するM100系用のパラメーターとなります。上記を見て頂くとわかりますが燃圧に対するインジェクターの噴射量も計測しており、この噴射量は実際に製造メーカーが公表している噴射量と大きな差ではありませんが異なったりしています。(個体差も若干あるのでインジェクター噴射量のマッチングなども行われます。)

 

上記のパラメーター一覧を見て頂くとわかるように燃圧と電圧に対してインジェクター無効噴射時間が計測されています。当然ですがインジェクター無効噴射時間は燃圧にも関係し、さらにインジェクターをオンするときの電圧に対しても無効噴射時間が変わってきます。(燃圧、電圧ともに線形補間で計算され無効噴射が変動します。)これはインジェクターの電気的特性なのでインジェクターが異なればすべて変わってくることになります。MotecのM1系ではさらに厳密にインジェクターパラメーターが設定できるようになっているので、M100系のMotecではこれでも大雑把な設定内容だったりします。なのにネット上ではインジェクター無効噴射時間を計測して「何msでした」なんて言っているインジェクター専門業者とかがあるのはかなり滑稽ですね。一体電源電圧何ボルトで燃圧どのぐらいで計測したのか一切記載が無いレポート出してどや顔されてもね...。基本的に燃圧はポートインジェクションエンジンの場合差圧方式になっているので常に変動しているのに変ですね。(笑)

 

ちなみにBMWのE46のストレート6で採用されているシーメンス製のDMEユニット内部にもインジェクター無効噴射時間の設定があります。M52TUB系はMS42、M54B系はMS43のDMEユニット内部にパラメーター指定があります。

こちらのページを見るとノーマル純正のインジェクターの無効噴射時間、フォースインダクション(過給機付き)の際にインジェクター容量のアップグレードを行った際に取付けた数種類のインジェクター無効噴射時間のパラメーターが記載されています。MS42/MS43系は燃圧が差圧式であるようなないようなエンジンで(笑)、基本的に燃圧3.5barで固定決め打ち、インジェクター無効噴射時間は電源電圧に合わせて設定するようになっています。BMW E46など20年以上前のノーマルDMEでもこのぐらいは普通に設定出来るようになっているというかインジェクター無効噴射時間は電圧に影響して変動するのであたり前の事ですね。

 

この記事が参考になるかどうかわかりませんが「インジェクター無効噴射時間」について明確な事がわかっていないで困っている人がこの記事にたどり着いたら幸いです。

以上、「インジェクター無効噴射時間について」でした。

 

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