ブログ記事

M52TUB/M54Bエンジンで欠陥とされるDISAをアップグレード

M52TUB/M54Bエンジンで欠陥とされるDISAをアップグレード

BMWのM52tub、M54Bエンジンのインテークマニホールドに装備されている可変吸気バルブDISAですが、経年劣化によって破損すると最悪エンジンを破壊します。BMWが何故こんな設計をしたのかよくわかりませんが、何か意味があるようにはとても思えません。詳細はこのブログのこちらの記事をご覧ください。

関連記事:

変に破損すると一発でエンジンがアウト!? DISAの交換(BMW M52/M54系エンジン)

DISA本体はM52TUBとM54Bエンジンで形状が異なる(取り付け部分のネジ位置、径は同じですが互換性がありません。)のでM54Bエンジンのときに設計変更すればよかったと思うんですけどね。

海外のBMWフォーラムの過去ログで時々話題になったりしていましたが、構造的に問題のあるDISAを安全な仕様に変更するキットが海外で販売されています。(DISAのリペアキットですが、仕様が変更されているものです。ここではアップグレードキットと呼びます。)しかしながらM54B用ばかりで自分のM52TUBエンジンのDISAをアップグレードするものは販売されていませんでした。(自分が見つけられなかっただけかもしれません。)

M54B用はネット検索するとアップグレードキットは数社見つかるのですが、M52TUB用は販売されていないので諦めていましたが、先日偶然にもこちらのサイトでM52TUB用のDISAのアップグレードキットを発見しました。(もちろんM54B用のアップグレードキットもあります。)

関連リンク:

VANOS BMW.com

一応、独自サイトでオンラインショッピング出来るようになっていますが、昨今、大手ECサイト以外の独自サイトでSSH対応程度のサーバ上での買い物は、相当リスクが高いため購入は断念。(独自ECサイトで購入する場合、日本国内代引か後払い可以外は使用すべきではありません。どんなに安全とうたっていても、通信以外(サイトのサーバ構成等)での保障がありませんので、カード情報は100%抜かれると思って間違いないでしょう。

同じ商品をebay.comで検索してみたらVANOS BMW.comがebayで販売していたので早速購入を検討。ですがVANOS BMW.comはebay.comに商品を出していたのでアメリカの会社かと思ったらなんとロシア。(苦笑)

ロ・シ・アですよ、ロシア、ハードル高け~な。w

このコロナで地球上の流通が止まっている昨今、ロシアから荷物が日本まで届くのか?という不安もあったり、ebay.comで表示される注文後(注文時点では2020年の12月21日)の到着予定期間が1月末~5月中旬と、最長で半年という非常にアバウトな到着予定が記載されていました。

他の商品でM52TUBエンジン用のDISAリペアキットはありますが、アップグレードできるキットはVANOS BMW.com以外無かったので、ちょっと冒険をしてみようと思いebay.com経由でこちらのM52TUB用DIASアップグレードキットを購入してみました。

関連リンク:

DISA BMW Repair Kit m52tu

ちなみにM54B用はこちらになります。

DISA BMW Repair Kit m54 3.0 and m56 2.5

上記を参照する限りM54Bの3.0用のDISAはM56の2.5リッターと同じDISAを使用しているようですね。

ちなみにどちらもリペアキットと記載されておりますが、トラブルの原因を回避する再設計されたアップグレードキットとなります。

詳細については各ページの説明を参照してください。ロシア(モスクワ)のサイトですが、英語での説明になっています。

モスクワから思いのほか、早く到着!

ebay.comでアメリカから出品されている他の物も購入したのですが、アメリカの荷物よりも早く2021年1月11日、3週間で無事到着しました。

ロシアから届いた荷物

自分にとっては、ロシアなんて未知の国。人生で一度もかかわった事がない国なので、輸送も本当にちゃんと届くか?なんて不安もありましたが思いのほかトラブルなく届きました。^o^v

輸送は川崎経由なのでロシアのモスクワからどのような経路かわかりませんが船便だったと思われます。ちなみにebay.comで輸送状態のトラッキングナンバーは日本郵便のサイトで追跡可能です。(ロシアの税関?を2020/12/27に通過後、荷物の移動が止まってしまったのでかなり心配してましたが、いきなり川崎に届いてました。)

ロシアからの荷物の梱包状態

早速開封してみました。梱包も薄手の段ボールとエアパッキンで梱包されていて特に問題ありません。(笑) 梱包は送り主の性格で大きく変わるので結構ちゃんとした対応ができる人(会社)なんだと思います。

DISA BMW Repair Kit m52tu

こちらが手元に届いたDISA BMW Repair Kit m52tuです。

DISA BMW Repair Kit m52tuのパーツ一覧

中身の確認ですが上記のパーツ構成になっています。DISAのフラップ部分は仮組されていました。

DISAフラップ部分の仮組を分解

仮組された部分を分解するとこんな感じ。

DISAキットのフラップ部分

DISAフラップはアルミ製でかなり精度が高いです。というよりもビビるぐらい高精度です。フラップ部分を構成するパーツはすべてアルミ切り出しだと思いますが、日本製のそこらのパーツよりもかなり精度が高いと思われます。(ト〇レフとか作る国だけはある。(笑))

DISAのダイアフラムを取り外す治具

この2つのパーツはDIASのダイアフラムを固定しているキャップを外すための治具です。

DISAの分解開始

早速、こちらの記事で交換した古いDISA(この車を購入したときのDISA)を分解してフラップとダイアフラムの交換を行います。

DISAフラップ部分のカバーを外した状態

DISAフラップの軸を外すためにカバーを外します。

フラップと負圧バルブシャフトを固定しているリングを外した状態

続いて軸と負圧バルブシャフトを固定しているリングを外します。かなり外しにくいのですが、交換前提ならばフラップ側の軸は壊して外しても問題ありません。

DISAからフラップを取り外した

フラップを外します。外し方はVANOS BMW.comのサイトに記載されている通りに行えば誰でも簡単に外すことができます。(詳細はこちら

問題のDISAの金属製シャフト

上記の写真のかなり汚れた白いシャフトはプラスチック製で交換前提ならば破損しても問題ありません。フラップ側に爪があるのでドライバーで押し込んで引っこ抜く感じで取り外し出来ます。

で、上記の写真の赤い矢印で示した金属製シャフトが大問題の部分です。DISAの破損について色々事例を調べてみると、シャフトの破損(上記の白い部分)、ダイヤフラムの破損(このブログで後に交換します。)、そしてフラップの自身の破損です。

破損パターンとしてはシャフトの破損→フラップがインマニの中で暴れる→金属製シャフトが外れて吸気ポートに落ちる→エンジン破損という最悪ケースです。今回実際に金属製シャフトをニッパーを使って引っこ抜いてみたのですが思いのほか簡単に抜けてしまいました。BMWとしては抜けにくい構造になっているので「良し」としたんだと思いますが、私をはじめフォースインダクションな過給機をつけている人にとってもかなりリスクがあるパーツとなります。(もちろんノーマル状態でも金属製シャフトが吸気ポートに落ちる可能性は十分あります。)

VANOS BMW.comのアップグレードキットでは、この金属製のシャフトをインテークマニホールド側では使用せず、下記の写真のように長いシャフトを外側から貫通させるように設計変更されています。

フラップを外側から貫通したシャフトの状態

そのためDISAのフラップが破損しても金属製のシャフトが吸気ポートに落ちる事はありません。そもそもVANOS BMW.comのアップグレードキットを使用すればDISAのフラップは破損する事がなくなります。

VANOS BMW.comのフラップとの比較

取り外したフラップ部分を比較してみました。左側がオリジナル、右がVANOS BMW.com製のアルミ製です。本当に精度が高いです。

 シャフトにグリスアップ

フラップのシャフトの取り付けを行います。このシャフトは先ほどの白いシャフトの代わりで、このシャフトも超高精度のアルミ切り出しです。シャフトにグリスアップしてフラップを固定します。

シャフトを仮組

DISAのフラップの初期位置

フラップの初期位置に注意しながらダイアフラム側のシャフトをつなげます。

フラップシャフトとダイアフラムシャフトをリングで固定

説明書通りに進めるとここでフラップシャフトとダイアフラムシャフトをリングで固定しますが、これが大失敗でした。(苦笑)ここではリングは取り付けずフラップを取り付ける前にダイアフラムの交換を行った方が賢明です。

しかしながらDISAのダイアフラムの交換はかなり難易度が高いのでDISAが正常に動作するならば(ダイアフラムが破損していなければ)フラップのみの交換に留めた方が賢明です。

難易度高、DISAダイアフラムの交換

DISA BMW Repair Kit m52tu付属の治具を使用

続いてにDISA BMW Repair Kit m52tu付属の治具を使用してDISAのダイアフラムの交換を行います。写真のようにダイアフラムのカバーを外すために使用します。文章で言うのは簡単なのですが、このダイアフラムのカバーを外すのはかなり至難の業です。DISA BMW Repair Kit m52tuのサイトにも外し方詳細は記載されていないため、外し方を調べてみたところ、以下の動画を見つけました。

 この人のマネをして外す事は出来たんですが、カバーを少し破損しました。(苦笑)おまけにダイアフラムのカバーを外してから気が付いたんですが、ダイアフラムのシャフトをフラップのシャフトを固定してしまうとダイアフラムの交換が出来ません。なので、もしDISA BMW Repair Kit m52tuを使用してダイアフラムまで交換を行う場合、ダイアフラムの交換から先に行う必要があります。

取り外したDISAのダイアフラムシャフト

結局取り付けたフラップを外して、ダイアフラムシャフトを外しました。

ダイアフラムのカバーとダイアフラム用のスプリング

上記が少し破損したダイアフラムのカバーです。マイナスドライバーでこじ開けるしか方法がないので少し割れました。(涙)先のYoutubeの動画と同じようにラジオペンチで破損部分を修正しました。

新しいダイアフラムに交換

DISAのダイアフラムは破損(破けてしまうとダメです。)してはいませんでしたが、22年前のゴム(シリコン)製の部品なので交換しました。このフラップはエンジン始動時に必ず動作し、高回転になるとフラップを開くときにも動作します。なので相当な回数開閉を繰り返しています。

ダイアフラムを固定するスプリングを配置

スプリングを配置してダイアフラムカバーをもとに戻します。実はダイアフラムカバーを外すのはかなりハードルが高かったのですが、実はダイアフラムカバーを取り付ける方はもっと大変だったりします。写真の右下の負圧がかかる穴の部分にOリングがついていますが、この部分がエア漏れしないようにダイアフラムカバーをしないとDISAが動作しなくなってしまいます。

先にも書きましたがDISAのダイアフラム交換はかなりの難易度なのでフラップの破損を目的でDISAをアップグレードするならばフラップ交換のみにしておいた方が賢明です。

 

DISAのフラップとダイアフラムを交換後、DISAの動作確認を行いました。DISAを+12Vへ接続した状態で、インテークマニホールド側にあるピンホールへ吸引ポンプで負圧をかけてフラップが閉じるのを確認します。

DISAの負圧ピンホールの場所

インテークマニホールド側のピンホールは上記の部分にあります。インテークマニホールド内部が負圧状態でDISAが通電するとフラップが閉じる仕組みになっています。

導電性アルミ箔テープをDISAに貼る

DISAをせっかくアップグレードしたので、インテークマニホールドに装備したときに見えない場所にアルミテープチューンを行いました。特に意味はありませんが場所的に帯電しやすい場所なので導電性アルミ箔テープを貼りました。

 

3M 導電性アルミ箔テープ No.AL-50BT 25mm幅x3m
3M(スリーエム)
売り上げランキング: 31

 

DISA BMW Repair Kit m52tuのインストール完成

以上で、DISA BMW Repair Kit m52tuのインストールは完了です。M52TUB用のアップグレードキットを探す、ebay.com経由でモスクワからの購入、DISAのダイアフラムの交換、長い時間とかなりのハードルがありましたが後日インストールを行いたいと思います。

以上、「M52TUB/M54Bエンジンで欠陥とされるDISAをアップグレード」でした。

 

ページ移動

ユーティリティ

スポンサーリンク


検索

エントリー検索フォーム
キーワード
例:abs修理、メーターフード自作

過去ログ

Feed