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反省、BMW M52TUB/M54Bの燃圧

反省、BMW M52TUB/M54Bの燃圧

なんか無知というか…、浅はかというか…、ネットの情報を鵜呑みにしてしまっていた事にかなり反省…。

いきなり燃圧の話とは無関係な事を書いていますが、自分の車に関する燃圧制御に完全に間違いがあった事にここ1週間ぐらいでようやく気が付きました。燃圧レギュレーターによる燃圧制御しつつも燃料噴射量の調整をしていたのでエンジンが壊れるとかそいう話じゃなくて(ノーマルDMEでやったら壊れていたかも)もしかして不安定な要素を自分自身で作っていた点が大きな反省です。

結構前から気にはなっていたのですが、燃料の圧力、すなわちインジェクターに向かって燃料タンクから吸い上げた燃料にかかる圧力を燃圧と言うわけですが、この燃圧のかけ方というか表現の仕方が各エンジン、同じエンジンでも仕様の違いで表現に違いがある事を初めて知りました。

自分の記憶では多分ネットの情報を鵜呑みにしていて、燃圧とは「インテークマニホールド内部の圧力+燃料圧量である」っと理解していました。すなわち自分の車は3.5barの燃圧レギュレーターが付いていますが、これに対してアイドリング時などインマニの圧力が負圧となりますので、この負圧が仮に0.7barあった場合、燃圧は3.5-0.7=2.8barとするのが当然と思いこんでいました。

この場合、燃圧制御はインマニの負圧を使用して燃圧レギュレーターを開けて燃圧を落とすというのが多くのエンジンで採用されている方法なのは事実でこの方法が当然と考えていましたが、自分のエンジンM52TUB、およびその後継M54Bの燃圧は、インジェクターレール部分の燃圧が常に3.5barで一定であることがわかりました。

燃圧が差圧方式ではなく一定であることを知ったきっかけは、以下のYoutube動画です。

 この動画で使用しているBMW車両がよくわかりませんが、E46の多分M54Bエンジンだと思います。

上記の動画でエンジンキーをオンにして燃料ポンプが作動して、エンジン始動前の燃圧は以下の通りです。

燃圧ポンプが動いた後の状態の燃圧

動画を見てもらう方がよくわかりますが、燃料ポンプが動作した直後は3.5barまで燃圧が上がり、しばらくすると燃圧が落ちてくるのがわかるかと思います。(この燃圧低下は始動性に影響するため燃料ホースにワンウェイバルブを割り込ませるという話を動画の主がしています。後程このブログで紹介します。)

アイドリング中の燃圧

そして上記の写真はそのままエンジンをかけてアイドリング中の燃圧となります。燃圧が3.6~7barを示しています。

自分の車はアイドリング中の燃圧は2.7bar~2.9barになっており、差圧方式で燃圧を落とすべきではないのに燃圧を落としているのはアイドリングの不安定要素を自分で作っているようなものですね。(苦笑)燃料制御はMotecで行っているとは言え、エンジンそのものの仕様を大きく変えるのは不安定要素を作り出す1つの理由になりかねません。

この動画を見てからその他にも参考になる動画がないか調べたところ、自分の同じM52TUB28エンジンで、燃圧制御方法がUS仕様(EU仕様とUS仕様で燃圧方式が異なります。多分何等かの国の規制だと思います。)ですが、以下の動画で燃圧レギュレーターを交換したBefore/Afterで燃圧計測を行っていました。

 

下記の写真は燃圧レギュレーター(US仕様なので燃料フィルターの直後にあります。)を交換する前のアイドリング状態です。

BMW E46 328iアイドリング中の燃圧(レギュレーター交換前)

この動画の主は少し燃圧が高いことを指摘しているようです。

燃圧レギュレーターを交換後のアイドリング中の燃圧

上記は燃圧レギュレーターを交換した後の燃圧になります。

先の動画とほぼ同じ結果ですが、どちらもアイドリング中の燃圧は3.5bar付近になっています。M52TUB/M54エンジンはインジェクターが特殊なので、常に燃圧を一定にして噴射する必要があるということでしょうか?または吸気バルブとインジェクターノズルの距離が通常よりも長いので燃圧をあげている等も考えられますが、エンジンの設計者が故意的に燃圧は固定3.5barにしている事は間違いないようです。

燃圧レギュレーターはどのように制御しているのか?

これまで何度も燃圧レギュレーターの制御方法を確認してきましたが、M52TUB/M54Bエンジンの燃圧レギュレーターを制御するホース部分には負圧はきていないというのが結論のようです。

M52TUBエンジンのEU仕様の燃圧レギュレーター制御ホースは、以下の6番になります。

M52TUBのCCVバルブ図

ブローバイガスセパレーターで、アイドリング時など強めの負圧がきているように思っていたのですが、実際にはCCVは強い負圧で内部のバルブが閉じられてしまい、燃圧レギュレーターを動かす事が出来ない、かなり弱い負圧(軽く吸う程度)の圧力しか来ていないようです。(同じCCVバルブがM54Bエンジンでも使用されています。6番はキャップで塞いでいます。)

M52TUBの燃料レール図(EU仕様)

上記が、EU仕様の燃料レールに付属形式の燃圧レギュレーター(7番)で、11番のホースがCCVバルブの6番に繋がっています。

インマニの負圧でブローバイと一緒に燃料バルブも吸引されて、アイドリング時などのインマニ圧が強い負圧の時は燃圧レギュレーターが空いて燃料を戻していると思っていたんですが、まんまと騙されましたね。(苦笑)

そして、以下がM54Bの燃料レール。M54Bからは燃料制御方法が大きくかわりレール本体での燃圧制御は行われません。

M54Bの燃料レール図

多分、燃料の温度を下げる目的だと思われます。

M54Bの燃料フィルター&燃圧レギュレーター

M54Bからは燃料フィルターに燃圧レギュレーターが付属しています。すなわち燃料フィルターを交換すると燃圧レギュレーターも一緒に交換することになります。

この燃料フィルターで燃圧制御され、余った燃料はタンクにもどされます。燃圧制御は4番のホースで制御され、

M54Bの燃圧レギュレーター制御ホースの接続先

スロットルバルブ手前、3番のベローズホースにF型ジョイントで接続されています。このベローズホース内部は常に大気圧に近い状態なので、(スロットルが空いた直後は若干の負圧になるかもしれませんが、燃圧レギュレーターを動作させるほどの圧力はありません。)燃圧レギュレーターが負圧で動作することはほとんどありません。

燃圧制御に関してAVO/Motec Japanの大島氏に相談したところ、トヨタのSW20などは最終モデルは燃圧固定でその他のモデルは燃圧レギュレーターをインマニ負圧による差圧制御しているそうです。なぜ最終モデルだけ燃圧固定になったのか理由は不明だそうですが、サービスマニュアルにもそのような記載があったと教えて頂きました。燃圧レギュレーターの制御ホースは、M54Bに近い状態でスロットル付近に接続されているだけで何も制御されていないそうです。

差圧制御しない燃圧レギュレーターの意味は?

そうなると今度は何のための燃圧レギュレーターなのかが気になります。目的としては2つ考えられ、1つは燃圧レギュレーター以上の燃圧が燃料レールにかからないようにする、もう1つは燃料ポンプの保護でしょうか?
燃料ポンプはエンジンが動作している間常に燃料を送り続けていますが、燃圧制御無しだと燃圧が上がりすぎてしまい燃料ポンプにかなり負荷がかかってしまうため燃圧レギュレーターで特定燃圧以上の燃圧がかかった場合はリリースされて燃圧が落ちるようにしています。
燃圧制御に関して自分が理解していなかった事はこの2つですね。インマニの差圧で燃圧を制御するだけのためではない事を改めて理解しました。

エンジンの始動性を上げる

このブログの中でエンジンをかける前に燃料ポンプが少し動かして燃圧を上げ、時間と共に燃圧が下がっていく状態があったかと思います。インジェクターに繋がるホース・レール内部の燃圧を上げるためにエンジン始動前に燃料ポンプを動かしていいますが、時間が経過すると燃圧が落ちてきてしまいます。

この対策として、燃料ポンプからの送り出しホースにワンウェイバルブを入れて燃圧を落とさないようにして始動性をよくする方法は結構有名で国産車両向けにNISMO社からなども対策パーツが販売されています。

 
上記の動画は、BMWE46/330iで燃料ポンプの燃料送り側ホースに市販のワンウェイバルブを入れて燃圧が落ちるのを対策し、始動性をよくする方法を紹介した動画です。燃料系なのでDIY作業は注意が必要ですが、比較的簡単に対策することが出来ます。

以上、「反省、BMW M52TUB/M54Bの燃圧」でした。

 

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