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ABSユニット修理 1人でDIYで作業(BMW E46、多分E36、Z3とかも同じかな?)

ABS警告灯が点灯しり消えたり

ここ2年間ぐらいですかね?だましだましABS警告灯が「点灯しては消え」を繰り返していました。ABS警告灯が点灯する原因は大きく分けて2つの原因がありって、1つは車速センサー。

車速センサーの故障は、軽度な故障でセンサー交換で簡単に修理可能です。車速センサーの故障でであって欲しいと思いつつも、いつかは来るだろうなーっと思っていたABSユニットの故障...。

1999年に新車購入してから17年間一度もトラブル無しというのも奇跡的でしたが、昨年の10月ぐらいから走行開始時にはABS警告灯が消え、走行中になんの前触れもなく点灯する(高速道路巡行中など)という状態でした。

またなぜかサスペンションのオーバーホール中にStudieさんから借りて取り付けていたサスペンションの時は、ABS警告灯が一度も点灯することがなく、サスペンションオーバーホール後は、ほぼ、確実に毎回ABS警告灯が点灯してしまいました。ABS警告灯が点灯しなかった理由は定かではありませんが、お借りしたサスペンションはビルシュタイン製でフアフアなサスペンションのときは振動が少ないので点灯しないだけとか?!(笑)

 

ABS警告灯が点灯するとき再現性がある症状としては、ABS警告灯が点灯しても、次回に車に乗るときに消えてしまうんですよねー。エンジン始動時は点灯していますが少し走ると消えてしまう感じでしょうか?出先に向かう途中でまた点灯して、帰り道では一度消えて、また点灯なんて感じを繰り返していました。

ちなみに自分の車にはASC(Automatic-Stability-Control)機能がついていますがASCは動作しないようにしてあるので、ASCをオフにした状態の警告灯は常時点灯しっぱなしです。※ASC警告灯はメーターパネルの中央の黄色いランプです。

ASCはE46の初期型の初期モデルまでに搭載されている機能で、初期型途中からはASCからDSC(Dynamic-Stability-Control)の標準装備となります。ちなみにASCとDSCとのハード面での違いは、ABSユニットが違うだけのようです。本当かどうかわかりませんが、前期型にDSCユニットとポンプを交換することも可能だと、過去にDラーのメカの方が某E46の老舗の掲示板でDSCユニットへ交換した内容の書き込みを読んだことがあります。
 

 E46(E36やZ3)ABSユニットについて

ここで混乱しないように明確にしておきますがABSユニットはブレーキの制御装置の名称で、BMWの独自システムとして、CBC(Cornering Brake Control)ASC、DSCなる機能をABSユニットスロットルバルブ制御によって行っています。(これらのASC、DSCなどの制御方法は、スロットルバルブをモーターによって開閉しエンジンの出力を制御を行います。初期モデルは基本的にワイヤーによるスロットル開閉ですが、クルーズコンピューターによるアクセル制御、アクセルワークに合わせた開度量の制御、左右車軸の回転速度差によるスピン発生検知時などに、スロット開度量の制御によるエンジン出力制御を行っています。)

なのでABSユニット故障によってASCが機能しない、またはDSCが機能しないという状態になるわけです。

 

そんなわけでABSユニット(ASC、またはDSCユニット)の故障に関する情報を結構前からネット上で探っていたんですが、ひろゆきさんがやっている某巨大掲示板のBMW E46スレに一時期、ABS警告灯が夏場になると点灯する場合はDSCユニットへブレーキへつながる配管を氷枕を吊るして冷やすと点灯しなくなるという内容を見つけました。(笑)

単純に「熱でDSCユニットが暴走するのを防ぐ」という目的で、基盤の半田が熱で飛んでしまう対策という話らしいんですけど詳細は定かではありません。

 

そこでここ数日、色々とネット上の情報を漁り続けて自分の車で使用しているABSユニットについての情報を集めてみました。

34_0763.jpg.png

自分の車に搭載されているABSユニットはATE社Mark20(通称:MK20)というユニットで、この時代のABSユニットはABSハイドロユニットABSコントロールが別々で供給されていて(図の2番と3番。すなわち2つの部品で構成されている)それぞれ個別に交換することが可能で(最近のABSユニットはユニット一式なので高額)、Studieさんで現在の金額を聞いてみたところ、別々に買うとそれぞれ20数万円、一緒に購入すると34万円ぐらい部品代にかかるとのこと。おまけにこのユニットは、再コーディング(ABSユニットのプログラム初期化)が必要で、中古パーツや新品パーツを取り付けたらコーディングしなければなりません。

また、Studieメカさんのお話ではコントローラーのみを交換してもポンプがダメな場合もあるので一緒に交換するとパーツ代金も取り付け工賃も安くなるとのことでした。(この金額差なら、無理してでもコントロールユニットハイドロユニットを一緒に交換するとは思いますけど、しかし、高い!)

このままABS警告灯が点灯しっぱなしになるまで放置しようか悩んだのですが、先の某巨大掲示板の話にあった半田が熱で飛んでしまうという話を信じてさらに色々と調べてみました。

 

ABSユニットについてわかった事

色々と調べてわかった事はATE社MK20 ABSユニットは、同時期のベンツ、ボルボなどにも使われており、Youtube上に結構多数の人が半田付けをしなおして修理する動画をアップしていまいした。

その中でE36、E46用のABSユニット、すなわち自分の同じMK20を修理する動画を見つけることができました。

 

この動画は、取り外し済みのABSユニットの内部を修理するところからの動画となります。

で、問題は、ABSユニットの外し方です。

BMW E46の右ハンドル車は、ABSユニットは左前のとても簡単にアプローチできない場所にあります。

 

さらに色々とネットの検索で調べてみると、ABSユニットの取り外し方法について、有力な情報を見つけることができました。

こちらのDr.BMWさんの修理履歴にまさに同じようにABSコントロールユニットのみを外す方法のヒントが記載されており、自分もこの方法でアプローチしてみました。

参考URL:

3シリーズ E46 320iMスポーツ ABS ASC警告灯点灯修理

 

こちらのABS修理専門店にも簡単なE46のユニットの取り外し方法が記載されております。
(詳細は電話で教えてくれるらしいです。電話かけてませんけど。)

参考URL:

BMW E46 3シリーズ ABSユニット取り外し方

 

未遂あり!!一人で修理作業開始

以上の情報を元に自分も青空駐車場で作業を心みようと、先日、途中までABSユニットにアプローチしたのですがABSユニットが取り外せず未遂に終わり(苦笑)おまけに2月の極寒の中の作業で集中力が継続できないため、本日少し気温が高かったので再チャレンジしてみることにしました。

ちなみに必要な工具としては先のDr.BMWさんのホームページに記載されているように雄のトルクス5のボルトを緩めるソケットが必要になります。
(トルクス5のソケットは先日のブログで紹介済みです。笑)

関連リンク:

E型トルクスソケットセット 10pcs/E型ソケット
海外
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ノーマルのBMWならばもしかすると楽にアプローチできるのかもしれないんですけど、自分の車のABSユニットの周辺は、圧力センサー2つとその配線、インテイクマニホールドから圧力を読み取るためのシリコンホース、オイルキャッチタンク、オイルキャッチタンクへ続く、ブローバイガスホース、オイル温度センサーの配線、その他ノーマルにはない配線がかなりあるため、ばらし作業だけでもかなりの作業で大変です。

 

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ブローバイホースは分解して、ブレーキクリーナーで洗浄。Motec&ブーストメーター用圧力センサーやブローバイホースなどの接続箇所にはホコリが入らないように養生テープで保護。写真のエンジンルームの仕切り板を取り外すのは、知恵の輪に近い状態です。

 

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上記の写真は最終的に取り外す段階の仕切り板の位置です。この位置、この角度をから仕切り板を回転させながら抜き出すことに成功しました。(仕切り板を元に戻すときのために、メモ代わりに途中経過を何枚も撮影しました。)

この仕切り板の取り外しのために、もともとあった配管(BMW純正配管)は1つも取り外ししていません。ちなみに、自分の車両で唯一外したのは、Motecの圧力センターとインテイクマニホールドを繋ぐホースとセンサーコネクターのみです。この仕切り板を外すために邪魔になるブレーキブースター関連の負圧ホースを外してしまうと、負圧ホースを止めてあるクランプは再利用不能なので、最悪走行が出来なくなってしまいますので注意が必要です。

そのため、仕切り板を外すために他の配管は外すことは基本的にNGです。
(関連の保守パーツを用意してれば問題ありません。)

 

ABSユニットの4本あるトルクス5のボルトを緩める作業ですが、厚みが薄い6.3mm角のラチェットがあればいいのですが、4本あるうちの下側2本は簡単にアプローチできません。Dr.BMWさんのホームページによるとABSユニットを取り外しの「ヒント」となる内容として「ABSユニットを持ち上げて」と記載がありましたので、自分もABSユニットを持ち上げてみましたが、正直レンチを入れるスペースはほとんど確保できません。

そもそもABSユニットを止めている10mmのボルトを外してシャーシ側のゴムブッシュに刺さっているABSユニットは、ブレーキキャリパーへつながる配管が邪魔して、簡単には持ち上がりません。ブレーキキャリパーへつながる配管(前方4本、後方2本ある)をシャーシとの干渉を保護しているゴムブッシュを外し(かなり大変ですが外れました。取り付けも結構大変です)うまい角度を探してみましたが、手持ちのレンチを差し込めるほどのスペースを確保するのは至難の業です。(追記:狭い場所へアプローチできる薄手、小型のプライヤーを使用すれば、もう少し簡単だったかもしれません。)

しかしながら、限られたスペースで悪戦苦闘をすること約1時間、ABSユニットを外すことができました。

取り外したABSユニット

 

ABSユニットをこじ開ける!!

このユニットを駐車場から部屋に持ち帰り先のユーチューブの動画の通りに半田で基盤面側を溶かしながら蓋を開けます。

リューターや半田の代わりにホットナイフでと思ったのですが、このATE社のユニットはかなりぶ厚く・頑丈に作られているので、ユーチューブ動画のように半田で思いっきり穴をあけて鉄の子で切りながら蓋を開かないと簡単には開くことができません。(想像以上にかなり頑丈です。)

DSC_2503.jpg

かなり見た目はよくありませんが、「美」にこだわると相当時間がかかると思います。

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ちなみに、パーツ番号は上記の通りです。31 51 1 164 897と記載されていましたが、リペアパーツとしては販売されているパーツ番号は、34 51 6 756 289です。パーツ名称が「リペア キット コントロール ユニット ASC」で「リペア」が付く場合、部品番号が変わるんでしょうか?ちなみにで31 51 1 164 897を検索しても何故かまったく出てきません。

DSC_2505.jpg

 

ABSユニット内部の半田不良個所を探す

続いて開いたABSユニットの基盤上で半田の飛び(接触不良になっていそうな部分)を探しますがまったく見つかりません。(滝汗)正直、このぐらいの基盤の半田付けの修理ならば相当経験があるので、すぐに見つけられると思っていたのですが基盤の積層部分の半田が緩んでいるでしょうか?基盤を見渡せば簡単に発見できる半田飛びを期待したんですけどね...。

もしかして「ユニットは悪くない?!」っと思いつつも、ユーチューブの動画にあったソレノイド側との接続部とパワートランジスタ足の部分を半田を溶かして再度半田付けし直しました。見た目、一か所だけ「怪しいなー」と思ったのはABSポンプへつながる電極真下にある半田部分です。半田が飛んではいませんでしたが接触不良起こしそうな感じでした。

 

DSC_2511.jpg

今回、基盤上を再はんだ付けするのにあまり市販されていないのかもしれませんが通常よりも30℃ぐらい融点が高いはんだを使用しました。(ふつうは融点が180℃ぐらいです。)使用したハンダは、太洋電機産業(goot)の「電子工作用ハンダ」SD-53です。

関連リンク:

goot 電子工作用ハンダ SD-53
太洋電機産業(goot)
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通常の判断を比較するとハンダが溶けにくいので半田ゴテのワット数を上げないと扱いにくいハンダで金属の配合量が通常のハンダと異なります。

RSコンポーネンツさんにも数多くのハンダの取扱があるのでおすすめです。

 

修理したABSユニットを元に戻す

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蓋の取り付け写真を撮り忘れたのと日が落ちる前にもとに戻したかったので相当テンパってました。(笑) こじ開けたABSユニットの蓋と本体の隙間は、クルーガンで止めました。

ABSユニット本体がある場所はエンジンとの仕切り板があるので、エンジンからの熱を直接受けることはない場所なのとYoutube上にある他のABSユニットの修理動画でクルーガンを使っていたので正直見た目はよくありませんが、ちょっと多めに盛る感じで取り付けしました。(後日追記:クルーガンで止めて隙間部分の上から、100均一で購入したアルミテープで補強してあります。流し台を止めるテープです。)

とにかくこの周辺のバラシ作業そして組み立て作業は本当に大変です。屋根付きガレージあればゆっくり作業できるんですけど、早くガレージ欲しいな...。

自分の車に限りですがブローバイガスの処理の配管がやはり一番面倒でした。戻し作業での難所は、ABSユニット側の仕切板の戻しです。知恵の輪だと思って作業すれば何とかなります。(笑)

ABSユニット本体を元に戻すのは、外す時と比較すれば意外と簡単でした。ただし、ABSユニットの場所的に中腰で立ち仕事になるので体力が結構必要です。

エンジンルームに頭を突っ込んでの長時間作業は本当に疲れますね。自分でこのような作業を行うと、車のメカニックさんが本当に重労働だというのが身に沁みます。

 

DMEエラーの確認

ABSユニットを元に戻してからINPAを接続して、DME上に残っているエラーを確認します。

関連リンク:

INPA Ediabas K+ DCAN USB OBD2 OBDIIカー診断ツールケーブルBMW用

 

IMG_8997.jpg

IMG_8998.jpg

毎回ASCユニットに残っているエラーは2つあります。エラー番号は113と148でした。多分、接触不良で問題となるエラーは113(上)かな?INPAも肝心なところは表示内容がドイツ語?オランダ語?表記なので、なんとなく意味は英語的に読めるけどよくわかりません。(爆)元々、英語で作られていないソフトを英語に対応しているので仕方がないです。ABSユニットを戻してからINPAでエラーを消去、先程1時間ぐらいテスト走行してきました。

後続車がまったくない道路で40Km/hぐらいでフルブレーキをかけて、ABS動作を4~5回確認。ちゃんとブレーキをかけたときにABSが動作しているビ~ンと音がしました。ABSの動作を確認し、取り付け直後のテスト走行は、ABS点灯無しで走行完了。

ここ数日、ABS警告灯が無点灯なんて日もあったのでしばらく様子を見る必要があります。走行後、再度INPAでエラーを調べたところエラー113は消えてました(発生無し)けど148が消えません。そもそも148のエラーの部分のFrequencyはエラー発生回数だと思うのですが、0ってことはエラー回数ゼロって意味なので放置でいいんでしょうか?(後日追記:148はDMEからのABSユニットへの初期化エラーなので、他の車では表示されないはずです。)

エンジンをかけたままテスターからDMEへ対してREADステータスをかけると残ってしまうという話も聞いたことがあります。確かBMW DIS GT1でも同じだったかな?どちらにしても、これで完治してくれることを願います。

今回ここで紹介しているABSユニットの修理方法は、DSC対応のATE製MK60などでも同じように対応できるかと思います。ABSユニットのエンジンルーム内部の配置場所にもよりますが、一番大変な作業がコントロールユニットの取り外しなので脱着さえできてしまえば、半田付けに自身がある方ならば交換を検討するまえにダメ元でチャレンジしてみることがよいかと思います。

※この記事を参考にした場合は、すべて自己の責任で行ってください。

追記:2017/07/26

この修理をしてから、一度もABS警告灯は点灯していません。

一応、上記の作業で成功したようです。

 

追記:2017/08/20

自分と同じメーカーのATE社MK20 ABSユニットを使用している車両は以下の通りです。(年式で異なるので詳細はご自身でお調べください。)

ハイドロリック ユニット ASC
パーツナンバー: 34516756287(ハイドロリックとコントロールユニット)

3' E36
316i
316i 1.6
316i 1.9
318i
318is M44
318tds
318ti M44
325tds

3' E46
316Ci M43
316i 1.6
316i 1.9
316ti N42
318Ci M43
318i
318i M43
320Ci
320Ci M52
320Ci M54
320d M47
320i
320i M52
320i M54
323Ci
323i
323i 2.4
325Ci
325Ci M54
325i
325i M54
325ti
328Ci
328i
330Ci
330d M57
330i

Z3 E36
Z3 1.8
Z3 1.9 M43
Z3 1.9 M44
Z3 2.0
Z3 2.2i
Z3 2.5
Z3 2.5i
Z3 2.8
Z3 3.0i

保証は出来ませんがATE社のABSユニットならば、症状が似ていれば多分同じ原因の故障だと思います。

 

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